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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
道路の凶悪犯

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結界

「うわあ」

 遠藤氏に言われた現場の住所に来た私は、思わず驚きの声を漏らした。


「なんか……異様だね。

 まさか、結界が張ってある?」

 碧も周囲を見回して目を丸くする。

 依頼先の場所は23区内ではあったがちょっと不便な場所だったのでカーシェアから借りてきた車で来たのだが、車のフロントガラス越しにも目の前の敷地の穢れがはっきりと視える。


「少し穢れが漏れてるけど、死んだ動物の霊を取りこぼさない様にしっかり結界を張って集めていたみたいだね。

 虫じゃなくて動物で蠱毒をしようとするとこうなるのかぁ……」

 なんかこう、結界の中と外で空気の色が変わって視えるぐらいに内側の穢れの濃度が高い。

 殺しに使えないレベルの霊は収穫せずに残して、穢れを吸収して強化(狂化?)するのを期待していたのかも?


「これって呪師を捕まえた時とか、そいつが死んだ時に結界が崩壊しなくて本当に良かったね」

 ちょっと顔色が悪くなった碧が言った。


「だね。

 結界が崩壊したら有毒ガスでもどこかから漏れたのかって騒ぎになるぐらいの影響が出たと思う」

 確か、下水管のガスとかって時々致死レベルに危険なガスになることもあるらしいが、そう言うのが噴き出したのかとか、太平洋戦争時の毒ガス爆弾でもあったのかって話のなりそうなレベルで危険そうだ。


 どうりで退魔協会が私ら(と言うより、碧だね)に依頼を持ってきた訳だわ〜。

「でもこれってこないだの獣医が来た場所じゃあないよね。

 この中に入って犬の死骸とかを持ち出して清掃作業をしていてもバタバタとその場で倒れなかったなら、多分その犬神家の分家の男が行政とかボランティアとか清掃業者とかに人間が入っている間はその人らを守っていた筈」

 結界で穢れや悪霊は止められても、臭いは抑えられないのか、清掃した後の筈なのにかなり強烈な悪臭が漂っている。清掃前は更に凄かったんだろうから、それで近所からの通報で行政が来ることになったんだろうね。


 行政相手に殺し合いするよりは、取り敢えずある程度は悪霊化した動物霊を収穫できたと言う事で、諦めて中に人を入れたんだろう。


 ちょっと高台になった森(か林)っぽい場所に囲まれた場所だが、木々が周囲から敷地を隔離しているし、道の行き止まり的な場所だったから冬の間は出歩く人が少なくて悪臭もバレにくかったのかな?


 まあ、どちらにせよ。

 残念ながら、獣医が行った元耕作放棄地では無いみたいだ。青木氏が見つけてくれるか、遠藤氏が上手いこと国や退魔協会を動かして多頭飼育崩壊現場を探すように誘導してくれると良いんだけど。


「う〜ん、中に入らずにここから清めてみるね。

 結界のせいで完全に清められないかもだけど、あの中に入るのはちょっと嫌だわ〜」

 碧が周囲を見回しながら言った。


「清める前に結界を解除したら森の向こう側の家にも被害が出るかもだし、誰かが通りがかったら昏倒しちゃいそうだから、その方が良いっしょ。

 何か残ったら、私がやるよ」

 碧が一度清めた後なら、結界の中に入って最終的なクリーンアップをやっても大丈夫だろう。


 物理的な悪臭はどうしようもないが。

 一応花粉症用のガチガチに効果があると謳っているお高いマスクを買ってきたから、あれでなんとかなると期待したい。


 取り敢えず、車を敷地の入り口付近でギリギリ結界の外な場所に停めて、降りる。

 碧が南京錠で雑に止められた門の前で立ち止まり、深くゆっくりと息を吸って祝詞を謳い始めた。


 ある意味、この悪臭だったら少し離れてやる方が良かったんじゃない?

 まあ、祓う際には距離も重要だけど。


 流石の碧でも、これを一発で清められるのかは少し怪しいかも?と思っていたのだが、碧の祝詞に伴ってキラキラと清らかな光が集まってくるに従って、結界内の穢れが徐々に薄れていく。


 凄いわ〜。

 だが、曇りなおかげで今日は久しぶりに涼しくて過ごしやすいのに、碧の額からは汗が滲んできている。

 なんかこう、碧が祈って助けを乞うている存在もここの事を許し難く感じているのか、徐々に怒りも含めた荘厳な空気が周囲に満ちてきた感じがする。


 やがて、祝詞が終わり碧が柏手を打ったら、天から何かピシャリと結界を叩き潰した様な感触があり……一瞬であれだけの穢れを留めていた結界が消えていた。

 穢れごと。


 碧がよろめいたので、慌ててて支えて車に寄り掛からせる。

「大丈夫?」


「うん。

 なんかもう、霊力をギリギリまで引き出された感じだけど、足りない分は助けてくれたっぽい」

 碧が大きく息を吸いながら言った。


 残念ながら穢れが消えても物理的な悪臭はどうしようもないんで、相変わらず臭いけど。


 亜空間収納から日本茶のペットボトルを取り出して碧に渡した。

「取り敢えず、中を確認してくるから車の中で待ってて」

 あの清めの後に残るだけの根性がある悪霊も穢れもほぼないとは思うが。でも、普通の霊が隠れていたら見逃されて残っているかもだから、どうしたいか聞いて助けてあげると良いだろう。


 さて。

 マスクと、遠藤氏から送られてきた錠前の鍵の出番だね。

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― 新着の感想 ―
一体どれだけ犬や猫達を苦しめたのか 来世は虫確定ですね
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