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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
道路の凶悪犯

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そっちになったか〜

「あら〜。

 そっちになったんだね」

 テレビを見ていた碧が声を上げたので、描き掛けの符を終わらせて筆を置いてからテレビの方に行ってみた。


「どしたん?」

「これ〜」

 碧が指差した画面を見ると、どこぞの立派そうなお屋敷から何やら老婦人が警官に囲まれて出てきた画面が映っていた。


 なんかこう……老婦人が血塗れじゃない?


 画面の字幕に『甲府市で、訪れた親族の若者を老婦人が刺して殺人未遂で逮捕』と書かれている。


 更にその下に小さな文字で、『三条妙子(62歳)が訪れた親族の吉田海斗(26歳)と口論になり、激昂の末プレゼントとして渡されたペーパーナイフで滅多刺しにしたと家人から通報』と書いてある。


 おやぁ〜?

 聞き覚えがある苗字と被害者の名前だね。

「うわ〜。

 厄祓いして呪詛返しをした後に、態々凶器になりそうな物を持ちこんで挑発したのかぁ。

 どうせ呪詛に負けて死にそうなんだったら、確かに諸悪の根源の『大奥様』を殺人犯にするっていうのも一つの報復手段だよね」

 無理心中狙いで三条氏を殺しに行くかと思ったが、自分を唆した(多分)大奥様とやらへの報復を選んだのかな?


 まだ完全には死んでないみたいだから一応殺人未遂容疑だけど、きっと明日の朝のニュースでは殺人に容疑が変わっているんだろうね。

 滅多刺しにされて生き残るのは難しいでしょう。

 60代の女性だったら、まだまだそれなりに腕力だってあるだろうし。


「ちなみにあの海斗とか言う人に掛かってた呪詛ってなんだったのか、分かった?」

 碧が尋ねる。


「呪詛を返した時に至近距離だったせいかちょっと向こうの魂に触れてそっちに掛けられていた呪詛が一瞬見えたんだけど、後先考えずに怒りの対象を痛め付けたくなるような感じの精神誘導系の呪いだった」

 そのせいで、恋人に捨てられたと思った時に一歩離れて考えるのでもなく、話し合いもせずに殺傷力が高そうなちょっと変わった呪詛を掛けるなんて動きになったのかな?

 呪った本人らしき大奥様も同情に満ちた顔をして怒りを煽っていただろうし。


 まあ、呪詛のせいで考え足らずになったとしても、恋人の話をちゃんと聞かなかったのは本人も悪いと思うけどね。

 10歳近く(多分)年上の恋人で既婚者だから、最初から自分は単なる愛人でいつか捨てられるかもと不安が強かったのかな?

 だとしたら、そんな恋人と誤解がないように自分の結婚のことや将来の展望なんかに関してちゃんと話し合わなかった三条氏にもかなり非がありそう。


 と言うか。

 偽装結婚だとしても、誰かと真面目に付き合うことになったら離婚して可能な限りで夫婦っぽい形の手続きを取るべきだったよねぇ。

 国内だったらパートナーシップ宣誓が出来る自治体は増えてきているらしいし、アメリカなり、タイなり、オーストラリアやニュージーランドにでも行って現地で結婚して式だけでも挙げるのだって良いんだし。


 まあ、まだそこまで真剣に付き合ってなかったのかもだが。

 そう考えると、吉田海斗が可哀想な気もするね。

 真剣に愛していて呪ったんだったら。

 単に自分を捨てて許せん!!ってことで呪ったんだったら自業自得とも言えるけど。


「吉田海斗は転嫁付きの呪詛だったのに、なんで大奥様は普通の呪詛だったんだろうね?

 呪詛を使うよう唆した際に呪師を教えたのも彼女だっただろうに」

 碧が少し首を傾げて呟いた。


「吉田海斗は三条氏と奥さんと、どっちに死んで欲しいか自分でもはっきりしなかったからどちらかに呪詛が掛かる形を選んだのかもね〜。

 大奥様とやらは……転嫁なんて手段があるって知らなかったか、吉田海斗の事を馬鹿にしすぎていてバレると思っていなかったから転嫁が必要だと思わなかったのかも?」

 もしくは。

 転嫁付きの呪詛が広く普及したのって最近の事なようだから、昔から呪詛を使っていた人はそんな抜け道は無しで、『人を呪わば穴二つ』の覚悟で呪詛を掛けていた筈。だから、抜け道なんて用意するのは軟弱すぎると思っていたとか?


 ある意味、呪詛とは遠距離で知られぬうちに敵を害するとても卑怯な攻撃手段なのだ。

 呪詛返しのリスクを負うのが卑怯さを取り除くバランス方法だと思っていたのかも?

 良家の奥様だったら自分の正当性にそれなりにプライドを持っていそうだから、呪詛を使うなんて言う卑怯な手段と折り合いをつけるのに呪詛返しのリスクは必要だったのかも……なんて考えるのは深読みし過ぎかな?


 大奥様に話を聞きに行ける訳ではないし、色々想像したところで真実は闇の中だけどね〜。


「まあ、取り敢えず。

 ある意味色々と決着がついたみたいだね。

 大奥様が居なくなるなら、三条さんも偽装結婚なんて辞めて、離婚するかな?」

 碧がテレビから目を背けて、源之助のおもちゃへ手を伸ばしながら言った。


「かもね〜。

 恋人を作らないならまだしも、誰かと付き合うなら偽装結婚は無いよねぇ」

 誠実に行動しないと、次の恋人(もしくは愛人)には呪詛じゃなくて包丁で刺されるかもだよ?






 これでこの話は終わりです。

 明日は休みますがまた明後日からよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
LGBTに対して過剰な配慮を要求する人たちはどうかと思います 差別は駄目ですけど、いちいち気遣いさせられる謂れはありません ただでさえ人口現象が進んでいるのに拍車をかけるわけですし
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