そうだ、獣医に行こう。
「なんかさぁ、意識して探してみると意外とペットフードって売っている店が少ないね」
諏訪から東京に無事戻り、レンタカーやWi-Fiルーターを返却して近所のスーパーで食料品の買い出しを終えて戻って冷蔵庫にそれらを突っ込みながら、ふと思ったことを口にした。
「うん?
そうだったっけ?」
碧が聞き返す。
「あっちで滞在中にうっかり源之助のフードが足りなくなったら困るだろうと思って、どこで買えるかな〜って店を見かけるたびに確認したんだけど、実はコンビニや街中にあるようなドラッグストアではペットフードは置いてないのね!
結局、ペットショップとド◯キホーテみたいな大型ディスカウントストア、あとスーパーにしかなかったよ」
しかもディスカウントストアとスーパーはかなりセレクションが限られていた上にスーパーのはかなり割高だったし。
「あれ、そうなんだ?
コンビニなんて下着とか生活に必要になる『かも』知れないようなありとあらゆる物を売っているんだから、当然ペットフードも売っていると思ってた」
碧が驚いたように言った。
「だよね〜。
ドラッグストアも赤ちゃん用の離乳食とか粉ミルクとかは色々多種多様に置いてあるのに、下手をしたら赤ちゃんよりも数が多いペットのフードを置いてないなんて不思議」
まあ、ペットフードのドライだったら半年分ぐらい入った大きな箱で小分けしたのを買えるようになったから、そういうので大量に買う人が増えて、切らしちゃったからとコンビニで慌てて買う人が殆ど居ないのかな?
子猫用、成猫用、高齢猫用、尿路結石ケア用、インドア用、体重制限用とか、色々と種類があり過ぎて置き始めたらキリが無いっていうのも理由かもだし。
「そっかぁ、でもフードをうっかり切らしたら購入が難しいなら、毎回持っていくのとは別に一通りあっちに置いておいてローリングストック的に入れ替えるようにした方が良いかもね」
碧が言った。
「そうだよね。
あと、一応ドライとウェットのパウチとチュ◯ルを一通り亜空間収納に入れておくわ」
時間が止まるわけじゃないから、うっかり入れっぱなしで忘れると悪くなるからそっちもローリングストック的に入れ替えなきゃだけどね。
と言うか。
考えてみたら、亜空間収納って雑菌とかカビの菌とかが漂っているのかな?
いないとしたら、収納に入れておけばあまり悪くならないかも?
時間経過はあっても湿気たり雑菌が入る危険があまりないなら、実は保存食系だったら長期間入れておいても大丈夫だったり?
まあ、ただでさえ消費期限が長い保存食を入れておいて、その期間を過ぎた後にどうなるかを確認しようと思ったらかなり時間が掛かるから、確かめるのを忘れそうだけど。
普通に食パンでも入れておいて、1、2ヶ月後にどうなっているか、試してみようかな?
山での遭難を考えてカロリー◯イトとか飲料水は入れてあるけど。
流石にお弁当とかは入れておいたら腐ると思うからなぁ。
パンより先に、おにぎりを入れておいて数日経ったのがどうなっているか、試してみるべきかも。
と言うか、パンよりも腹持ちの良さそうなビスケットと、おにぎりで試すかな。
「そう言えば、明日のカリスマ祈祷師に来る予約の人、なんと歯槽膿漏の治療希望なんだよね。
考えてみたら、歯茎の炎症は何とかなるけど歯石は取れないし溶け落ちた歯も厳しいから、源之助も歯磨きするべきかも?」
碧が源之助を捕まえて口の中を覗こうと頑張りながら言った。
「歯磨きになるオヤツじゃだめなのかな?」
一応、ドライフードに混ぜて、歯磨きになるオヤツとかいうのも出しているんだけど。
確かに最近多少源之助のお口がくちゃい気もするからなぁ。
でも。猫も歯磨きするのかぁ。
「一度獣医に源之助を連れて行って、健康診断とワクチンでも打ってもらうついでに歯磨きの仕方とか、オススメな歯ブラシの事を聞いてみたらいいかもだね〜」
口を開けようとする碧を嫌がって首を振って逃げてしまった源之助に溜め息を吐きながら碧が提案した。
「確かに、歯磨きの仕方は聞いておく方が良いかもね。
でも、ワクチンは必要なの?」
何でも治せちゃうだろうに。
「風邪を治す薬がないって言うのと同じで、病気のせいで壊れちゃった器官を治すって言うのはまだしも、全身的に広まって細胞レベルで悪さするようなウィルスや細菌って治療も難しいんだよね。
ワクチンで罹患を防げるなら、防ぐ方が楽〜」
碧が言った。
そっかぁ。
まあ、確かに小さな体の猫じゃあ病気になった時の体力も心配だしね。
そんじゃあ獣医に予約でも入れておこうか。




