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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
道路の凶悪犯

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少し延びるかも?

「そろそろ暑くなってきたし、やっぱ持ち込みは諦めて集荷して貰おう!」

 電話を終わって私の部屋から戻ってきたら、丁度クッション作りがひと段落ついたらしき碧が提案してきた。


 途中で変なのに絡まれたが、そのあとは問題なく諏訪に着き、ここ2日ほどはひたすら符を雑草と一緒にラミネーターで綴じて、仕入れておいた外注のクッションとアイピローに封じる作業をしてきた。どうやら今月の発送分の終わりが見えてきたので、碧は次のステップを考えていたらしい。


「そうだね〜。考えてみたら真夏も真冬も大量の箱を車から出して配達業者の店舗の中に運び込むのは大変そうだもんね。

 うん、集荷に来て貰おう!」

 どうせ利益率はかなり良いのだ。

 顧客達は『高い』と文句言うよりは『もっと買わせてくれ』と機会があるたびに懇願してくるぐらいだし、今後原価が上がった場合は値上げしても文句を言わないだろう。そう考えると、無理にケチる必要はない。


「そう言えば、今のは誰からの電話?」

 出来上がったクッションの数と快適生活ラボ(私たちの会社)の会員制販売サイトにある注文情報とを見比べて確認しながら碧が聞いてきた。


「警察〜。

 先日高速で絡んできたあの大畑とか言うロクデナシの件で途中経過の報告電話だったんだけどさ。

 車にあったドライブレコーダーの情報で、挑発されたと感じるような理由もなしに私たちをターゲットにして煽り運転をしていたから、似たような事件をやっている可能性が高いと言う事で家宅捜索したらしいんだけど。

 そうしたらビックリするほど沢山危険運転の証拠が出てきたから、あいつは晴れて正式に逮捕されたんだって」

 逮捕されるまでは病院で経過観察という名目で拘束されていたらしい。


「逮捕?

 まあ、当然だよね」

 何でそんな当然な事を?と言いたげな顔で碧が返す。


「私らの場合は被害者が誰だかも場所がどこだったかはっきりしているから良いんだけど、他の被害者の特定や生死の確認とかに時間が掛かるから、正式な起訴は来月まで延びる可能性が高いって連絡だった。

 時間があったら細部の確認の事情聴取を要請してくるかもだけど、何分被害者がやたらと多いから私らに構ってる暇は無いかも的な事を言ってた」

 なので少なくとも呼び出しを喰らうまでは、私たちが警察に出頭して更に詳しい事情聴取を受ける必要はないそうだ。


「うわぁ。

 一体被害者は何人ぐらい居そうなの?」

 碧が嫌そうな顔をしながら聞いてきた。

 一応あの後、車の中で大畑ロクデナシの記憶から読み取った情報はざっと話したんだけどね。

 気分が悪くなるから細かい詳細は話していない。


「少なくとも、やった本人的に確実に助かってないだろうな〜と喜んだ事故が3件。

 他にも大怪我したんじゃ無いかとワクワクしながら交通事故のニュースを探していた事故が10件以上あったね。

 それらがドライブレコーダーやSDカードに全部記録してあるかは知らないけど」

 ざっと過去の所業を確認した際に、愉悦が特に強かった記憶が目を引いたので読み取っただけなので、本人的に大して面白くなかった事故は更にもっと沢山やっているだろう。


「考えてみたら、あいつって連続殺人鬼と言うべきだよね〜」

 車を使ってどうやって自損事故を起こさせるかに集中していた趣味だったけど、殺せたら『大成功』扱いだったのだ。


 つまり、殺す事が最終目的だったと考えて良いだろう。そうなると、あいつは単なる乱暴なドライバーではなく、連続殺人鬼だよね。


「なんかさぁ、車って動く凶器って言えるんだから、運転免許を配布する際に精神的にまともな人間かもチェック出来る仕組みが欲しいよね〜」

 碧が溜め息を吐きながら言った。


「確かにねぇ。

 自白剤を飲ませた上で人を痛めつけた事はあるかと聞いて、変な事を言う人は道路から排除して欲しい」

 残念ながらそんなのは人権侵害だって事で許されないだろうが。


 前世では、街を半壊状態に出来るぐらい強力な魔術とか危険な魔道具は、王家に叛逆の意思がないことを私ら黒魔術師が認証しないと入手できない仕組みになっていた。

 要は王家に従うなら、殺人鬼だろうがロクデナシだろうが問題なし扱いだったのだが、幸いにもサイコパス的な人間は王家にも敬意を持たないタイプが多かったので、私の制約魔術に引っ掛からずに排除できた。だから私が確認当番だった時は排除したんだよね。


 排除されたことで王家に叛逆の意思ありと見做されて色々と調べた結果ヤバい趣味がバレて死罪になったり最低でも失脚した連中が多かったのは、前世での黒魔術師の数少ない良い活用方法だったと思う。


 現代地球ではねぇ。

 黒魔術師が確実に嘘をつかずに公正かつ正確に情報提供していると証明する手段が無いからねぇ。

 そうなると黒魔術師が買収されるリスクが高すぎて、ヤバい人間が車を運転するのを止めるシステムの構築は無理だろう。


 ちょっと残念。

 まあ、少なくとも人を殺すのを楽しむ人間が一人、やりたい放題出来ないようになった。それだけでも、良かったと思わないとだね〜。



 これで今回の話は取り敢えず終わりです。

 明日は休みますが、明後日からまたよろしくお願いします!



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― 新着の感想 ―
ビックリするほど沢山って表現は、よっぽど多くないと出てこない表現ですから ひょっとして三桁?
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