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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
意外な使い方

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やっぱり?

 取り敢えず、呪詛の内容を説明した後に10分ほど車を動かして貰い、呪詛のリンクの元への線をマップアプリの上に引いてみた。


「この近辺に呪詛を掛けた人間が現時点いると思われます。

 誰か、心当たりはありますか?」

 アプリ上の地図を依頼主の方へ見せる。


「……妹のマンションに近いですね」

 依頼主が言った。


「菜穂子が?!

 そんな、なんだって私を呪うなんてことを?!」

 美紗子さんが声を上げる。


 そりゃあ、高齢者って頑固で子供の話に耳を貸さない上に、段々我儘で自己中になる事が多いって言うからね〜。

 娘って事で色々と頼られるのに、終活をきちんとやってくれという説得にガンとして耳を傾けなくて、キレちゃったんじゃないの?


 まあ、もしかしたら単に呪詛で説得しやすくして自分に有利な遺言書を書かせようとしているのかもだけど。


「だけど、論理的・倫理的に母さんが嫌だと思う事は言われても影響を受けないって話なんだろ?

 ちょっと最近、母さんがすごく意固地になっているって菜穂子も愚痴を言っていたから、話し合いに疲れちゃっただけなのかも」

 依頼主が宥める様に母親に声を掛けた。


「まあ、確かに色々資料を持ってきたりしても、見向きもせずに捨てていたのは悪かったかもだわね」

 依頼主の言葉を聞いてエキサイトしていた美紗子さんがすんっと落ち着き、あっさりと合意した。

 おお〜。普段はちょっと頑固になってきた高齢者なんだとしたら、確かにこれはちょっと不自然そうなリアクションだね。ただし感情的な反応が消えるせいか、呪われたってことに怒りが持続しない代わりにその前の行動に関してきまり悪くも感じないみたいだけど。


「取り敢えず、菜穂子のマンションに行こうか」

 依頼主が言い、車を出した。


 変に美紗子さんに家族との思い出の話とかをしちゃって、過去の思い入れや楽しかった想いを消しちゃったら不味い。そう考えたら何を話して良いか分からず、車の中はドライブの間ずっと沈黙のままだった。

 気不味い〜。


 依頼主も、実は密かにせめて母親の終活が終わるまで呪詛返しの依頼をしなければ良かったかもと思ってそう。


 意固地になっている親の終活は子供にとって頭が痛い問題だって話だからねぇ。

 しかも、一人っ子なら大変とは言っても一人で全部対処できちゃうからある意味話は単純だが、複数子供がいたら資産を分けなきゃいけない。それこそ誰がより母親の老後で手伝ったからその貢献分だけ多く遺産を貰うべきだとか、子供がいて生活が苦しいからもっと欲しいとか、色々揉めかねないしねぇ。


 しかも。高級住宅地にある家が遺産の一部だとしたら。複数いる兄妹の中で一人だけに実家を残しても残りが不満に思わないほどの巨額な金融資産がないならば、実家を兄妹で共同所有って形で残さざるを得ないだろう。そうなると、売却とかの手続きも一々協議して全員が納得しなければならないのだ。

 滅茶苦茶面倒な事になるのは目に見えている。


 そんなことを考えていたら、30分もしないうちに依頼主が車を時間貸しの駐車場に入れて、電話を掛け始めた。

「菜穂子?

 俺だけど。

 ちょっと近くにきているから、母さんとそっちに行っても良いか?

 相談したい事があるんだ」

 オレオレ詐欺じゃないけど、家族の電話ってやっぱ意外と自分の名前を言わないもんだね〜。


 まあ、今時だったら携帯に掛けるならアドレス帳に登録してある名前が出てくるだろうから、名乗らなくても誰から掛かってきたかは分かる場合が多いだろうけど。


「……ああ。

 いや、もう時間貸しのところに入れてあるから良いよ。

 じゃあ、今から行くから」

 何やら向こうが言ったらしいが、来るなという返事ではなかったらしい。

 駐車場をあちらが手配すると言う提案だったのかな?

 マンションだったらビジター用の駐車スペースがあるところが多いよね。

 当日直前に言って空きがあるかは不明だけど。


「じゃあ、行きましょう」

 電話を切って、依頼主が車のドアを開けて降りた。


 そこそこ駅に近い、良い感じな場所だなぁ。

 大通りから一本入ったところだから駅近でもそれ程煩くないし。


 やっぱ、金持ちの子供ってそれなりに教育でアドバンテージがあるから成功する可能性が高いのかな?


 家を買う時の頭金とかで援助を貰えているかもだしね〜。

 それに元々地主だったとかではなく、高度成長期に成功して金持ちになったケースだったら美紗子さんの旦那や美紗子さんが頭が良かった可能性がある。頭がいい夫婦の子供だったら、子供も頭がそこそこ良い確率も高そうだよねぇ。


 勿論、頭が良ければ成功するとは限らないが。でも日本だったら良い大学に行けるとか、留学できるって言うのは生涯収入に大きくプラスな影響があるだろう。


 そんなどうでも良い事を考えながら、車から降りて駐車場からすぐそばのマンションへ歩き、依頼主がインターホンで連絡を入れた。


「俺〜」

 カメラに向かって依頼主が声を掛ける。

 私らが後ろにいるの、単なる通りすがりと思うかな?

 それとも、退魔師だと予測出来るかな〜。


 このタイミングで母親を連れて兄が来るって怪しいもんねぇ。

 明らかに呪詛のリンクはこのマンションの上の方に続いているから、妹さん(か同居している夫?)が呪詛を掛けたのは間違いないだろう。


 まあ、取り敢えず部屋に入れるのを断固拒否っていう反応じゃない様だし、兄妹の関係もそこまで険悪じゃないようだから、平和に話し合いが出来る……と良いなぁ。


 家族間の話し合いの仲介は、退魔師の責務じゃないんだよね〜。


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― 新着の感想 ―
老化と共にやってくる衰えは 年齢を重ねる限り誰しもが直面しなければならない悲しい現実ですね 本人にとっては視力、聴力、歩行能力、記憶力と 全てがハードルになる訳ですが 面倒を見る側にとって一番厳しいの…
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