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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
意外な使い方

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おっと意外〜?

 今回の依頼主(と言うかその親)も、そこそこ高級住宅地にある戸建てに住んでいるらしい。

 とは言え、今回も別に本人しか住んでいない家にまで行く必要はないと言う事で、その家の最寄駅で私たちはピックアップされた。


「よろしくお願いします。

 黒井健です」

 駅から出て待ち合わせ場所に来た私たちを見て、依頼主が車から降りてきて挨拶した。


 おお〜。

 今回の依頼主は意外に腰が低いね。

「こんにちは。

 退魔協会から来ました長谷川凛と藤山碧です」

 呪詛関連だったら私の方が色々指示を出すことが多いので、今回は私の方で挨拶と簡単な自己紹介を請け負った。


 前回のような、政治家なんぞという面倒臭い依頼主だったら依頼の内容が呪詛関係だろうが何だろうが碧に全力で丸投げさせて貰うんだけど、今回は比較的普通な人らしかったし。


「こちらが母の黒井美紗子です」

 大きな車に入ったら、中に座っていた女性に紹介された。

 そこそこ年がいっている。だがまだ髪の毛を染めているから白髪は目立たず、本人的には若いつもりな70代か80代ってところかな?

 確かに若いつもりだったら遺言書作成や高齢者マンションに引っ越すのは抵抗があるかもだねぇ。

 老いに抵抗しているからこそ、特に。


 とは言え、こないだ読んだ新聞の記事では高齢者用施設に入るのは、70代が理想的と書いてあったけど。

 入る時は自立した人用のほぼ普通のマンションで、最後に介護と看取りもやってくれるところを自分がまだ元気なうちに探して、実際に入って納得できるかを確認する。

 こうする方が、80代になって実際に一人暮らしが厳しくなってから探すよりもずっと本人に合った施設を見つけられるそうだ。

 自立出来なくなってから探すと、どうしても本人との相性よりも必要な介護をしてくれるかや、施設探しを手伝っている家族が会いに来やすいかと言った点が重視されてしまい、本人が気持ちよく過ごせるかは二の次になりやすいと記事には書いてあった。


 それに、一人暮らしが出来なくなってから入るとなると、引越しとか家の処分とかも大変だろうしね〜。

 本人としては、まだ大丈夫ってことで施設入りの話に反発していたんだろうが。


 それが突然人の話に流されやすくなる呪詛を掛けられるとは。これって、子供のうちの誰かがもう付き合いきれないと、強硬手段に出たんじゃないかね〜?

 呪詛に掛かる費用を考えると、詐欺狙いでは初期投資が大きすぎる気がする。


「今回は誰が呪詛を掛けたのかを確認した上で返して貰いたいですが、その前にどんな呪詛なのか、はっきりと確認して教えていただく事は可能ですか?

 それこそ、自殺とか誰かを殺すような事も命じられると言ったような可能性があったのか、知りたいです」

 美紗子さんが、車の中に入った私らに言ってきた。


「そうですね、ではちょっと手をお借りします」

 想像通り子供の誰かが掛けた呪詛だったら、その人のところまで呪詛を辿って泥沼な言い争いになる前に、正確な現状を確認しておく方が良いだろう。


 と言う事で、美紗子さんの手を取って呪詛を確認する。

 お、珍しく呪詛返しの転嫁はないね。

 そんで持って呪詛の内容は……。

「対面して話している相手が言ったことに対する、感情的な想いや反応が消える呪詛ですね。

 ですから感情ではなく、論理的及び倫理的にやってはいけないだろうと本人が思うような行動は命じられたところでやるようにはなりません」

 うっかり神社とかの厄祓いで返されないように、かなり念入りにしっかり掛けてある呪詛だが、期間的には1年程度なようだから、これだったら返されても極端に問題はないかな?

 過去の思い出の話とかをうっかりしたら、そう言うのに対する思い入れが全部消えてしまう可能性があるけど。

 呪詛に気付かずに昔の友人と同窓会とかに言って雑談しまくったら、過去の思い出にあった感情が全て消えたロボット的な人間になっていくリスクはあるかもだね。


「感情的な想いや反応??

 ですが、別人の様に突然反応が変わったのですが……」

 依頼主がちょっと戸惑ったように聞き返してきた。


「大抵の話し合いというのはメリットとデメリットがあって、結局は本人の感情の好悪で決まっていることが多いんだと思いますよ?

 ですからそれがなくなると、人と話し合っている際に相手の思い入れが強い方に流されやすくなったと感じたのでは」

 遺言書を作成するとか、ヨボヨボになる前に高齢者施設に入るとかっていうのは論理的に考えたらやっておいて間違いではない行動だろう。

 それを断固として拒否してきたのは感情的な忌避感が原因だったからこそ、呪詛で感情的な反応部分を削ると人が変わったように流されやすくなるんだろうね。


 まあ、投資詐欺とかだって絶対に儲かると熱心に言われたら過去にそんな話を聞いて『騙されるなんてアホでしょう』と蔑視した記憶が消えて流されかねないから、状況次第では危険な呪詛である事は変わらない。

 『絶対に儲かるなんていう投資は詐欺だ』と言う情報を知識として持っていたら流されないで済むかもだけどね〜。


 しっかし。呪詛って意外と使い道が広いんだねぇ。

 前回の政治家のアレにせよ、今回のにせよ、ちょっとびっくりだ。

 地球では前世の制約魔術の代わりに、呪詛で人の行動を縛ってきたのかなぁ?







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>こちらが母の黒井美紗子で エコエコアザラク!?
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