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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
伝承の断絶はハイリスク

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思っていたのとちょっと違った

『ヒロを離しなさい!』

 本館の方で捕まえた少年霊を連れたまま離れに入ったら、即座に何やら初老な女性の霊が現れて威嚇してきた。


 悪霊では無いけど、少年霊(ヒロ君と言う名前なのかな?)を虐めたら攻撃してきそうだ。


 女性の霊の他に、あと5人分の霊がふわふわと漂っているのが視える。

 となると、残りの4人前後がどこかに出ていっちゃったってこと?

 そこそこ穢れもあるけど子供達が倒れるほどじゃあないから、居なくなった霊が出ていく前にやらかしていったのかな?

 捕まえた少年霊はそこまで大量の穢れを内包してはいなかったし。


「退魔協会から来た退魔師の、長谷川と藤山です。

 先日、昔からここで封じてきた悪霊達を私が北海道で祓いました。

 皆さんもそろそろ昇天して、来世を楽しみませんか?」

 部屋にいた霊達に話しかける。


『ああ、藤田家の霊達を祓ってくれたのが貴女なのね。

 ありがとう』

 奥の方にいた老婆っぽい霊がおっとりとお礼を言ってきた。


「そちらは今代の贄役だった女性から依頼を受けての事なので、対価は受け取っていますから礼には及びません。

 ただ、一族の子供達が倒れたことでここを清めるよう依頼が出ました。

 ついでなので、ここがどう言う仕組みだったのか、教えてもらえますか?」

 結界と、特定の儀式か何かでここに登録された霊の力を使う仕組みみたいのが薄っすら視えるが、大分と劣化していてはっきりと機能が読み取れない。


 時間を掛けて壁とかに埋め込まれた大元の紋様に魔力を流しつつ確認したらもう少し分かると思うが、そこまで手間を掛けなくても教えて貰えないかな?


『ここは藤田家の霊達を魂に縛り付けて鎮めていた贄役が、少しでも楽に出来るようにと作られた離れでした。

 命が尽きた後にも次の世代を助けるためにと言う事で贄だった者達の霊を留めて補助に活用し、いつの日かは藤田家の悪霊達の怒りを鎮めて贄自体が不要になると期待されていたのですじゃ』

 老婆の霊が話し始めた。


 え〜?

 別にこの結界に清めの効果は無いよね?

 劣化し過ぎて効果が無くなったの?

 それとも大元の悪霊を鎮める為に、贄役の人たちが祈るとか写経でもする想定だったのかな。

 写経がどの程度効果があるかは知らないけど。まあ考えてみたらここに閉じ込められているんだったら暇だし、真摯にやれば多少は鎮魂効果もあるのかも?


『最初は彼らの鎮魂を祈りながら写経をして、それを寺に奉納して彼らの供養を祈祷して貰っていたんだ。

 だけどそのうち俺たちの扱いが悪くなってね。

 そんな本家のために祈るのなんてごめんだって事で写経もしなくなったら今度は食事が悪くなったし、暖を取るための布団も擦り切れて綿が零れて無くなるぐらいにならないと取り替えてくれなくなって。

 俺たちに死なれたら困るからと食事だけは飢えない程度には出したけど、味は酷かった』

 今まで黙っていた男性の霊が付け加えた。


 そっかぁ。

 最初は時間をかけて鎮魂するという流れな筈だったんだね。

 贄と言う名称そのものも、実は扱いは悪くなってから付けられたのかも?


 扱いが酷いから鎮魂の為の作業が続かず、死んだ後に次の贄役を助ける為に残るのだって不本意な拘束に変化した訳か。

 そしてこの離れは悪霊を留める為の場所ではなく、悪霊を身に宿した贄役を助ける為の場所だから、悪霊ではなく、亡くなった贄役の魂だけがここに拘束される結果になった訳ね。

 で、鎮魂対象だった悪霊がいなくなったから贄役への拘束効果も無くなった、と。

 意外な程に、よく出来た術だったんだねぇ。

 最初の陰陽師はどんだけ怪しげでグレーな術師なんだよと思っていたが、実はかなり腕のいい黒魔術師だったようだ。


「そこそこ穢れがあるけど、ここに残った皆さんは悪霊化している訳ではないわよね?」

 少年霊はちょっと嫌がらせをしていたけど。


『今更本家の子孫や分家の人間を恨んだところで得られるものはないからね。

 初代は、元より全てを納得して悪霊を引き受けることを自ら申し出たのだし。

 私もあの悪霊達が昇天できるように少しでも助けになればと祈ってきたのじゃが……もう必要がないなら、来世にいくかねぇ』

 老婆の霊が言った。


「ちなみにここに居ない霊は何人?」

 碧が尋ねる。


『一人は悪霊を鎮める為の拘束が無くなった途端にさっさと昇天した。

 あとの三人は……元の約束を破った本家に思い知らせてやると言って子供達を脅した後に出ていったの。悪霊に近く、穢れまみれになっていたからこちらも敢えては引き留めなかった。

 本家の人間を祟りに行っていないなら、どこにいるのか知らんが』

 嗄れた老人の念が答える。


 普通は霊って必ずしも歳をとった死亡時の体の年齢のままでいる必要は無いんだけど、ここは霊のエネルギーを使う結界のせいか、歳をとった様子の霊が多いなぁ。

 と言うか、歳をとるまで生き残るぐらい扱いが悪くなかった霊はそのまま残って悪霊化もしなかったけど、扱いが悪くて早く亡くなった贄が怨んで悪霊化したのかな?


 さて、どこに行ったのやら。





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― 新着の感想 ―
自分たちの利益のために他家を皆殺しにした上に 分家の人間も利用するだけ利用してゴミのような扱いとは かなり腐った家のようですね
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