フラグ?
「ただいま〜!」
兄貴達の披露宴ランチを終え、空港で色々とお土産を漁り、無事遅れもなく飛行機に乗って帰って来れた。
最近は飛行機の遅延が多いという話だったが、幸いにも10分程度しか遅れなかったから、ラッキーだった。
「おかえり〜。
どうだった?」
碧がソファから顔を上げて声を掛けてきた。
源之助は……キャットタワーの上で寝ている。
いや、片目を開けてこっちを見たから、かろうじて起きてはいる。けど、尻尾と耳を少し動かす程度しか何かする気はないようだね。
北海道特産のチュ◯ルでもお土産を買ってきてたら、きっと大歓迎してくれたんだろうね〜。
少なくとも、お土産を出した瞬間は。
食べ終わったら即刻またキャットタワーの上に戻る可能性は高いけどさ。
飛行機に乗ってから、ふと暇つぶしに探したら実は猫用お土産も空港に売っていた事が判明して、うわぁ〜と呻きたくなったんだよねぇ。
まあ、北海道じゃなくても買える北海道産の材料を使った『旅するチュ◯ル』とか言うのも存在するらしいから、今度どこかで見かけたら買ってみても良いかも?
それはさておき。
部屋に荷物を置き、着替えて洗濯物をカゴに放り込んだところでリビングに戻る。
洗濯自体は明日だね。
もう遅いし。
「はい、お土産〜。
定番のチョコ菓子と、ハスカップのゼリー。
温泉は凄く良かった。
兄貴達の披露宴ランチも、まあまあ?
一応あちらの家族にも会えたしね」
お土産を碧に渡しながらさっきの碧の質問に答える。
お土産に関しては悩んだのだが、やっぱ美味しいからチョコのお土産はあった方が良いだろうと、碧用および自分用に一箱ずつ買い、あとちょっと定番と違うのもと思ってハスカップのゼリーにした。
ジャムもあったんだけど、ジャムって気に入らなかったらいつまでも残りそうだから、数日で食べ終わるゼリーにしたのだ。
缶とか瓶に入った北海道産バターというのも気が引かれたんだけど、もしも交通機関に問題が出たりして、バターが溶けたら鞄の中が悲惨な事になりそうだったのでやめておいた。
いつの日か、冬の北海道に行ったら買おうかな。
でも、冬だと電車の中とかでヒーターがついているから結局はバターが溶けるリスクはそれなりに高そう?
ネットで注文するのが一番無難なんだろうけど、やっぱ北海道のお土産はあっちで買ってくるのがポイントだからねぇ。
とは言え、物が良ければお土産用じゃ無いのを普通に通販で買うのが一番かもだけど。
実はそこまでバターに拘りはないから、買う日は来ない気もする。
「おお、ありがとう!
温泉か〜。もう少し涼しくなったらまた鶴巻温泉に行こうか」
碧が提案してきた。
「そうしよう!
やっぱ運動が必要だし。
と言うか、9月に諏訪に行ったら2、3回ほど2時間か3時間程度の山歩きをしたいんだけど、付き合ってくれない?」
一人で山歩きになんぞ行ったら遭難しそうなので、付き合ってもらう必要があるのは申し訳ないが。
「良いね!
歩いた後に美帆さんのところで霊泉の入ればスッキリしそうだし、やっぱ歩くなら温泉の側だよね〜」
碧がバリバリとハスカップのゼリーの包みを開けながら言った。
おや。
チョコではなく、そっちを先?
まあ、取り敢えず紅茶を淹れてみるかな?
ゼリーって洋菓子系だからやっぱ紅茶が合うよね?
「紅茶淹れるね〜。
そう言えば、連絡が無かったってことは、仕事の方も特に話は来てないんだね?」
台所に行きながら尋ねる。
「凛が居ないことは知っているんだから、連絡をしてくるとは思ってなかったけど、予想通り音沙汰なし〜。
平和な4日間でした。
凛はあっちで変な事件に出会ったりしてないよね?」
碧が聞き返す。
「実は変な悪霊憑きの人にあっちで泊まった温泉宿で会っちゃって。
結局、現金払いで祓うのを請け負っちゃったけど、こう言うのって退魔協会に連絡したり、確定申告に含める用に柳原さんに言っておく方が良いのかな?」
まだ受け取った現金はそのまま亜空間収納に入れてあるから、銀行に入金しないで適当に毎日の生活で使って行けばそれなりに誤魔化せると思うけど。
「あ〜。
退魔協会に言うなら一応柳原さんにも言っておく方が良いだろうね。
変に脱税したなんて弱みを退魔協会に晒さない方が無難でしょう。
退魔協会に言うか否かは微妙なところだね〜。
その悪霊憑きな人って今まで退魔協会にその悪霊を祓ってもらおうとしてないの?
依頼受理待ち状態だったのがもう要らないってなったんだったら連絡しておく方が良いと思うけど」
碧がちょっと考えてから言った。
「退魔協会への依頼はしてなかったと思う。
明治初期か江戸時代の終わりぐらいの時に、なんか怪しげな術師を使って分家の人間を贄にして悪霊を押さえ込む術を掛けさせたから、本家は困ってなかったようだし。
ただ、その悪霊を祓っちゃったから、今までそれを抑えるために消費されてきた分家の人たちの怨みや霊がどうなるかは不明だね〜」
悪霊を抑えつける為に消費していた怨みや苦しみが突然消費され無くなったのだ。
そのまますんなり消えるかな?
「明日あたりに遠藤さんから電話があったりしたら、笑えるかも〜」
碧が揶揄うように言った。
ちょっと碧! それってフラグにならない良いんだけど〜!
取り敢えず、北海道から帰ったので北海道編は終わりということで一旦ここで章を終わらせます。
明日は休みますが、明後日からまた宜しくお願いします!




