うきうき?
「北海道に凛が行く前にもう1件ぐらい依頼を押し込んでくるかと思ったけど、意外にも無かったね」
兄貴の結婚披露宴ランチへ着ていくドレスを丁寧に畳んでキャリーケースに入れているのを、部屋の入り口から見ていた碧がコメントした。
色々と、3泊4日(結局、17日に北海道へ行き、20日の午後6時の飛行機で帰ってくることになった)の旅行での服とアクセサリー等のコーディネートの関して相談に乗ってもらっていたのだ。
本人達も手抜きな兄貴の結婚披露宴に態々新しいドレスを買う必要あるのかな〜とも思ったが、これから友人や知り合いの結婚式に呼ばれる事もあるだろうと、春から秋ぐらい(夏はクーラー前提)に着れるドレスを買った。
花婿の家族だったらあまり派手に着飾らない方が良いのかもと言う事で、比較的落ち着いた、『よく見たらお洒落』系な良いドレスを碧ママから教わった店を幾つか回ってその中から選ぶことに。
当然、アドバイス要員として碧にも同行してもらった。
今年の夏が去年みたいに脳みそが溶けそうな程暑くなくて、本当に良かった〜!
あの暑さだったら思わず通販で誤魔化そうと思ったかも。
なんか欧州とかアメリカでは猛暑が凄すぎて火事や熱中症での死者が大問題になっているようだが、今年の日本(東日本と言うべきかな)はある意味昔に戻ったみたいに常識的な程度の暑さだ。
まあ、代わりに妙に雨が多いけど。
千葉の方なんかは凄い事になっているし、東京でも毎日の様に夕方にはゴロゴロと雷の音がしている。
あんな集中豪雨が結婚式とか結婚披露宴の日に来ちゃったら、どうするんだろ?
まあ、夕立って夕方が多いし、北海道ってあまり大雨で街中で浸水が〜と言うニュースはあまり見ない気はする。だから本格的に熱帯性低気圧や台風でも来ない限り、ランチは大丈夫だと思うけど。
代わりに札幌で危険なレベルの猛吹雪と言うのは冬には偶に聞く。
吹雪の方が命に関わりやすい事を考えると、冬は他の地方から人を呼ぶ事になる結婚式はあまりやらないのかな?
招いた人が凍った道で滑って怪我をしたりしたら困るだろうし、吹雪で凍死なんて事になったら大問題だ。
そもそも、兄貴達は冬はスノボに忙しいから、結婚式なんて絶対にやらないだろうけどね!
それはさておき。
「お盆前やお盆の最中よりも、お盆明けにお盆で人が集まった際に誰かがやらかした案件が依頼として来るんじゃない?
だから遠藤氏は兄貴の結婚式に関して、ちょっと恨んでるかもね〜」
まあ、二十年後ぐらいには新たな退魔師になっているかも知れない新しい命を育みつつある夫婦の新しい門出だから、おおらかな心で祝福して欲しいところだけど。
「確かに。
とは言え、3日程度だからね。
調査をして依頼の条件を話し合っている間に2、3日なんてあっという間に過ぎるだろうから、それこそ20日に依頼の電話が掛かってきて、21日に行ってくれって頼んできたらどうする?」
碧が半分冗談めいて(でも半分本気で)聞いてきた。
「飛行機が止まった場合に依頼先へ行くのが1日遅れてもペナルティ無しを確約するなら受けても良いかな〜。
希望としては1日ぐらいこっちに帰ってから休みたいけど」
一応、向こうではハイキングもする予定なんだよね。
アクティビティをネットで調べたら、ハイキングやらカヌー体験やらワイナリー巡りやら色々と出てきたので、両親にどれをやりたい?と聞いたところ、ハイキングとワイナリー巡りをする事になった。
流石にカヌーはちょっとね〜と言う事で誰も特にやりたく無かったので没。
ネットのAI検索で、50代夫婦と20代の娘がその温泉街近辺で3泊の滞在中にするアクティビティを提案してと頼んだんだけど、カヌーがトップに出てきたのはかなり不思議。
今時の50代夫婦ってカヌー体験とかが好きなの??
私と碧が旅行中だったらまだしも、両親とだったら万が一のことがあって両親のどちらかが溺れたりしたら悔やんでも悔やみきれないからねぇ。
幸いにも両親も興味がないと言ったので、お薦めNo.1はスルーした。
ハイキングではちょっとした軽い登山もどきコースらしいので、良い運動になるだろう。
そのためのハイキングシューズも持っていくし、両親にも忘れない様にと念を押してある。
一応、筋肉痛が酷すぎた場合は聖域産のヨモギを使ったポーションモドキを使う予定。
あれは主にスキンローションとして使っているけど、一応痛み止め程度の効果もちょっとはあるからね。
碧に回復して貰うのが一番効果があるけど、流石に東京に帰った時点ではもう治っているだろう。
取り敢えず。
北海道でのちょっとしたホリデーだ。
楽しく過ごしたいね!




