良いねぇ
「そんじゃあ、日付として何日が良い?
あと、場所としては札幌から車で1時間弱のところにある温泉街を考えているんだけど、他に希望があるんだったら別の場所でもいいよ〜ん」
温泉宿をプレゼントされることに両親からの抵抗は無かったので、次に進む。
兄貴の結婚に関しては今ここで本人達抜きで私たちだけで話し合ってもあまり意味がないからね。
「そうねぇ。
札幌まで1時間弱なら、私の方はお盆で休む人のカバーをしてあげる代わりに18日から休みを取って、18、19日の二泊三日が良いかも?
貴方の方の予定はどう?」
母親が父親に尋ねた。
手帳やスマホのカレンダーを確認する様子がないと言う事は、兄貴の結婚の連絡が来た時点で数日前に北海道へ行こうと考えていたのかな?
怜子さんを手伝うためか、温泉旅行でも楽しむためかは知らないけど。
と言うか、花婿側の家族って結婚式で手伝わないものなのかな?
確かに花嫁が主役なのに変に気を遣わせたら悪いよね。
第一、結婚式自体がなくて披露宴もどきなランチだけだから、それこそ怜子さんの友人か兄貴が手伝っていそう。
兄貴の場合は当事者なんだから『手伝う』と言うのは語弊があるが。
「う〜ん、ちょっと予定を確認しなくちゃだが、海外との会議電話は無かった筈だし、国内だったら、お盆明けなら休みを取りやすいだろうから、大丈夫かな?」
父親が答えた。
会社のミーティングの予定とかは家では分からないのかな?
会社からスマホを貸与されてたら、それでメールと予定表アプリにアクセス出来そうだけど。
「場所は札幌の側で良い?
なんだったら富良野とか旭川とか十勝とか、他の場所でも良いわよ?」
離れた場所だったら札幌まで行くのにどのくらい時間が掛かるかは知らないけど。
「そうだ! どうせだったら1週間休みを取って、披露宴ランチの後に二人で富良野の方にでも行ってみない?
旭川の動物園にも行ってみたいわね」
母親が父親の方に向いて言った。
おお〜。
夫婦で旅行ですか。
良いねぇ。
子供が両方独り立ちしたのだ。
これからは二人で国内だけでなく海外にも旅行に行くのはありだよね。
まあ、定年するまではそれこそ子供の結婚式みたいな大きな理由がないと1週間も連続で休みを取るのは難しいかもだけど。
あと、国外に行くんだったら誘拐とか国による不当逮捕とかがありそうな地域は避けて貰いたいかな。
碧に言うことを聞かせるための梃子として私を使うために、親が拉致されたら困る。
碧へ脅迫するアクションを取った時点で白龍さまの天罰ディフェンスが発動するとは思うけど、連絡が来るまでの間のストレスと恐怖を考えると、ヤバい国にはいかないに越した事はない。
「そうだね。
1週間となったら少し調整が必要かもだけど、良いかも」
父親がのほほんと頷いた。
「そんじゃあまあ、披露宴ランチの後のことはそちらにお任せするけど、18、19日に札幌の側で温泉って言うのは大丈夫なのね?
温泉宿の予約を入れておくけど、飛行機も一緒に取っちゃっておいていい?
あ、でもそうなると帰りの日付と出発地が確定していないと難しいかな?」
飛行機のチケットって往復で買うものなんだっけ?
広告なんかで見かける飛行機代って必ず往復の値段が書いてあるけど、あれって基本的に海外旅行だったら帰ってくるから最初から往復で買うと言うだけな気もしないでも無い。
「飛行機はお父さんの会社の代理店を使うと割引が効く筈だから、こちらで手配するよ。
凛の分も一緒に買っておくけど、凛は20日に帰るのかい?」
父親が聞いてきた。
おお〜。
流石大手商社。
従業員の私用な旅行でも飛行機に割引が効くんだ??
「あ〜。
帰りは20日に夜の便の飛行機があったらそれでお願い。
無さげだったら翌日で良いから適当にお願いできる?
飛行機代はちゃんと出すから、言ってね」
うっかり父親に飛行機代を出させたりしたら、温泉宿をプレゼントする意味が無くなっちゃう。
「輝が飛行機代とホテル代を出すと言っていたから、飛行機代はあっちに回すよ」
父親がにっこり笑いながら言った。
そういえば、私にも兄貴がそんなことを言ってたっけ?
ホテル代を出すと言っていたけど、飛行機代もそれに入っているつもりだったのかな?
「う〜ん、まあ、了解。
できればちょっと札幌でぶらつきたいから、行きは早朝じゃない程度の朝の便を出来れば取ってくれると嬉しいかな」
札幌から温泉宿への移動手段も要確認だけど。
さて。
温泉宿をリサーチしなきゃ!




