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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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火事

 近所の雑木林が火事になった。もうもうとあがる煙と燃え盛る炎。辺り一帯に草木が燃える臭いが広がっていた。


 消防車が何台も来て、消火するのを近所の人たちと一緒に見守った。地元の消防団も駆けつけていた。


 だんだんと火の勢いがおさまってきた。その頃から、焼け焦げた臭いとは違う匂いが混じり始めた。


 幸い、民家に延焼することなく火は消えた。後は消防団の人たちが確実に鎮火を確認するために、しばらく見守るという。


 火が消えてから、匂いがはっきりした。


「焼き芋の匂いがする」


 焼き芋なんてしてる人は誰も居なかった。


読んでくださり、ありがとうございます。

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