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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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社宅

 長期出張になった。出張先の会社の支店には、社宅があったからそこにしばらく住むことになった。


 社宅は家族向けと単身向けがあるのだが、単身向けが埋まっていたので、家族向けの社宅にひとりで住むことになった。


 ベッドと布団、それに家電はレンタルしてもらったし、最小限の荷物を持ってくれば良かった。


 住み始めてすぐに、違和感を感じた。初めて気がついたのは、キッチンに行こうとして歩いている時だった。フローリングが生暖かくなっている場所があった。


 たまたまだと思ったが、フローリングの何処かが生暖かいのはしょっちゅうで、酷いときには会社から帰ってきて座るとクッションが生暖かかったり、テーブルに手をついたら、生暖かかったりした。


 不快だったが原因も分からず、部屋を変えてもらうほどでもない。仕方なく出張が終わるまで我慢して住んだ。


 出張が終わって、同僚に話すと、

「俺もそれ体験したよ。誰かいるみたいで気持ち悪いよな」

と言われて、今更ながらに急に怖さを感じて身震いした。


読んでくださり、ありがとうございます。

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