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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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絵

 一筆書きで龍を描く人に、龍を書いてもらった。この界隈ではとても有名な人らしい。


 目の前でみるみるうちに龍が描かれていく。美しい龍に感嘆のため息が漏れた。


 家に帰って、早速飾った。


「今にも動き出しそうだね」

家人がそう言って龍を見つめた。その時、絵の中の龍が動いた。


「え?」

「は?」


 ずるりと龍が絵から抜け出して部屋を一周して、また絵の中に戻っていった。


「え、縁起がいい絵だね」

「あ、ああ……そうだな」


 それから毎日龍は部屋の中を一周している。


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