前へ目次 次へ PR 48/67 絵 一筆書きで龍を描く人に、龍を書いてもらった。この界隈ではとても有名な人らしい。 目の前でみるみるうちに龍が描かれていく。美しい龍に感嘆のため息が漏れた。 家に帰って、早速飾った。 「今にも動き出しそうだね」 家人がそう言って龍を見つめた。その時、絵の中の龍が動いた。 「え?」 「は?」 ずるりと龍が絵から抜け出して部屋を一周して、また絵の中に戻っていった。 「え、縁起がいい絵だね」 「あ、ああ……そうだな」 それから毎日龍は部屋の中を一周している。