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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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琥珀

 旅行の土産だと言って友人から琥珀をもらった。琥珀の中には虫が入っていた。


 あいにく虫は好きではない。ロマンを感じる人もいるだろうが、虫は虫だ。


 礼を言ったものの、身につけることなくしまいこんだまま忘れていた。


 探し物をしていて、すっかり忘れていた琥珀を見つけた。

「あれ?」

記憶では石の中央にいた虫が、少し外側に寄っているように思えた。好きでもない死んでいるはずの虫が動いたなど、気味が悪くて仕方がない。


 私は琥珀を化石好きの知り合いに譲った。譲った事も忘れかけたある日、その知り合いから、知り合いの家に招待された。


 譲った琥珀と、小さな飼育容器を見せられた。


 琥珀は虫が入っておらず、飼育容器にアリのような虫が一匹、動き回っていた。


読んでくださり、ありがとうございます。

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