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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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長靴

 雨の次の日、家庭菜園の収穫のために畑に出た。うちの畑は水はけが悪くてとてもぬかるむから、長靴をはいた。


 トマトやナスをいくつか収穫した。足がとられて歩きづらい。


 特にぬかるむ区画で、とうとう長靴が泥に取られて足が抜けてしまった。長靴をはきなおして、何度もぐいぐいと足をあげるがなかなか長靴が泥から抜けない。


 思い切り足に力を入れてあげたら、また長靴から足が抜けてしまって、とうとう泥の上に足をつけてしまった。


「うわ?!……もう!」


 泥がついてしまったからもう長靴は履けない。うんざりしながら収穫を中断して、手で長靴を泥から引っ張り出したら、手のような形の泥が長靴のかかとをつかんでいて、ずるりと出てきた。


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