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夜道
夜、車を運転していた。
大きな町から自分が住む小さな町へ。大きな町は街灯が多くて明るいが、自分の街に入ると途端に街灯が少なくなって暗くなる。
ヘッドライトが夜道を照らす。この時間なら対向車とすれ違うことも多いのだが、今夜は全然すれ違わない。この時間帯は夜道を歩いている人はまずいない。
突然、何かが横切って、ひいた。車への衝撃。急ブレーキの音が静かな町に響き渡る。
バクバク言う心臓。冷や汗。震える手でドアを開けて恐る恐る車の後ろに回った。
「いてぇな」
こちらを見て、ぎょろりとした目と体の半分くらいあろうという大きな顔の男がだみ声でそういうと、手を出した。
「酒。慰謝料だ」
車の後部座席には、会社でもらった一升瓶の酒が入っていた。会社へのお中元の分配でもらったやつだ。
黙ってそれを差し出すと、異形の男はニンマリ笑って、どこかへ消えた。
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