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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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『雷』『たんぽぽ』

『雷』



 土砂降りの雨の中、傘もささずに走って家に帰っていた。


 ものすごい雷に恐怖を覚えながら、必死に走った。


 稲光が照らす一瞬に、人ならぬものが見えた。


 思わず立ち止まった瞬間、そこに落雷した。




『たんぽぽ』


 ふわふわと綿毛が飛んできた。たんぽぽだろうか。


 ここまで飛んでくるような場所に、たんぽぽが咲いていた記憶はないが、どこにでもたくましく生えているのを思えば、どこかに生えていたのだろう。


 頭や体にいくつかついた綿毛を払って、家に入った。


 次の朝、リビングがタンポポ畑になっていた。



読んでくださり、ありがとうございます。

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