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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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草刈り

 高齢になった実家の母から、ヘルプ電話が来た。

「お父さんが腰を痛めちゃって。庭の草刈りお願いできないかしら?」

と母から頼まれて、私は了承した。


 うちの実家は土地が無駄に広い。そのため、父が毎年刈払機で雑草を刈る。母は刈払機を使うのが怖いと言ってやらない。


 私は旦那に言って、平日に一人で実家に来た。庭の雑草はボーボーだ。

「これは刈るの大変そう」

ぼやきつつ準備をしていると、母が、

「あのあたりに茗荷が生えてるの。刈らないでね」

と言ったので、私は面倒だけどその周囲だけ先に手で草を刈ることにした。


 実家に昔使っていたつなぎがあったので、それを着て茗荷の近くまで行った時、

「いたっ!」

茨に足を突っ込んでしまった。面倒でショートソックスにスニーカーだったせいで、足が傷ついたようだ。大したことはないだろうと、私はそのまま茗荷の周囲の草を手で刈り、その後は刈払機で草刈りをした。


「疲れたわぁ」

「シャワー浴びたら?」

 母に言われて、私はシャワーを浴びた。足首あたりがしみて痛かった。

(そう言えば、茨で傷ついたんだっけ)

思い出して、シャワーの後、消毒をしようと足首を見た。


「うわ、なにこれ?」

私の足首の傷は、まるでおじいさんのような顔に見えた。気味が悪い。父母には言わず、私は家に帰ると旦那に見せた。


「キモッ」

と言った旦那に、私は迷わずパンチを入れた。


読んでくださり、ありがとうございます。

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