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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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 猫って実は小さな虫を見つめているんだよ。


 誰に聞いたんだったか忘れちゃったけど、確かに、ちゃんと猫が見ている先を見ると動いているものがある。虫だったり、小さなゴミとか。


 猫は何かをじっと見つめていると神秘的な雰囲気なのに、案外現実は詰まらないのねって、思ってた。


 うちには真っ黒い雑種の猫がいる。おばあちゃんがどこからか拾ってきた猫だ。甘えん坊でかわいい。


 よく、何かをじっと見つめているところが好きだったんだけど。


 猫が見つめている先をたどって、虫を見つけるのがマイブームだった時に、変なモノをみてしまった。


 猫が見つめていたのはフローリングの溝。目を凝らしてみると、何か動いている。


 それは、人型をしていた。溝の中を進んでいく。時折立ち止まって左右を見たり伸びあがって前方を見ているような動き。小さすぎて、細部は分からなかったけれど。


 私が固まったまま見ていたら、猫がパクッと食べてしまった。

 


読んでくださり、ありがとうございます。

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