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犬と散歩
田んぼのあぜ道を歩いていた。犬の散歩だ。犬はのん気にそこら辺の雑草の匂いを嗅いだり、遠くを走る車に反応したりしている。
ふと、犬が立ち止まった。
「今度は何を見つけたの?」
犬に聞いてみる。犬が振り返って不安そうな顔をした。珍しい。犬の前には変わったものは何もない。
「行くよ?」
引っ張っても、犬はかたくなに動かない。うちの犬は何かに気を取られてても、引っ張れば名残惜しそうに歩き出すのに。
「どうした?」
犬の前にしゃがみこんで、顔を挟んでワシャワシャと撫でてやっても、犬のテンションは上がらない。さすがに首を傾げた。
――――ヒュッ!
鋭い音が私の頭上を通り抜けた。
「え?」
一瞬の後、鈍い音がして、田んぼに何かが突き刺さっているのが見えた。
「な、なに?」
一本の何の変哲もない、木の枝だった。何でこんなものが私の頭上を――――
ゾワッと、私の皮膚が泡立った。
犬はもういつも通りに、しゃがんだ私の周りを飛び回って、早く行こうとせかしていた。
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