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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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夏の思い出

 子供の頃の夏休みは、決まって父母の実家に数日ずつ泊まりに行っていた。


 父の実家は自然が豊かな田舎で、母の実家は都会だった。俺はどちらも遊べるから好きだった。


 父の実家に数日とまっていた時、同じくらいの年の男の子と友達になった。ちょっとぽっちゃりしていて、ケラケラと言う笑い声が特徴的だった。


 虫を捕まえたり、川辺で釣りをしたり、俺はそいつと毎日遊んでいた。


 その日は、風もなくてとても暑かった。


「俺、汗っかきなんだ」


そいつはそう言って、首から下げたタオルで顔を拭いていた。俺も汗だくだったけど、そいつの汗は本当に滝みたいにダラダラと流れていた。


 その日は暑かったから川辺で水に足を入れたりして遊んだ。ふと、そいつを見ると、ほっそりしていた。


「お前、やせた?」


そいつはニヤリと笑って、首を横に振った。その動きでそいつの汗が飛び散った。


「ケラケラケラケラ」


 突然、そいつが笑った。


 俺が見ている前で、そいつはどんどん萎んでいった。


 俺は怖くなって、悲鳴をあげようとした時、


ビシャッ


と音を立てて、そいつは河原の石を濡らして消えてしまった。

 


読んでくださり、ありがとうございます。

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