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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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友人

 昔、変なお土産をくれる友人が居た。


 旅先の河原で拾った石とか、謎の仏像とか。もらう側の事を一切考慮しない品は印象に残るけれど、毎回どうしたらいいか途方に暮れたのを思い出す。


 ある時、随分田舎の方へ旅をすると言って、出かけて行った。勝手気ままに風の吹くまま生きている友人が、何の音沙汰もなく数カ月が経過しても不審に思わなかった。


 また、旅先が気に入ってバイトしながら過ごしているんだろうと思っていた。


 訃報は、突然だった。


 黒枠のあるはがきを手に、友人の実家を訪ねた。すでに葬儀は終わっていたが、線香をあげようと出かけたのだ。


「この度は……」


と、挨拶し、線香をあげさせてもらった。


 お茶を出され、旅先で不慮の事故にあったと聞いた。それから私に、友人のカバンに入っていたと言って、細長い包みを渡された。


 形見になってしまったものを手に帰宅して、包みを開けた。


 小さな卒塔婆だった。


 私は震える手で包みなおすと、それを手に実家の菩提寺に駆け込んだ。


 その卒塔婆は、随分と古びていたのだ。


読んでくださり、ありがとうございます。

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