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日常のはざまで――掌編集――  作者: 猫野沙子


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12/26

 雨が降ると憂鬱だ。今日も突然の雨でびしょ濡れになってしまった。


 家に帰ると、髪から滴る水滴がポトポトと玄関のたたきに落ちた。タオルは家に入らないと取れない。仕方なしにそのまま家に入った。


 タオルを取り出して、髪を拭いた。濡れたものは脱いでしまって洗濯機に放り込んだ。部屋着を着て、ため息をついた。濡らしてしまった床を拭かなくては。


 ぞうきんで床を拭き終わって、一息ついて、拭き残しがないか確認した。


「何で?」


拭いたはずの床が濡れている。思わず髪を触ったが、滴るほどは濡れていない。


 また拭いた。


 また濡れていた。


 何度も繰り返しているうち、家族が帰ってきてしまった。家族は、濡れたところを踏んだのに、何事もないかのように通り過ぎた。


 声を掛けようとして、気がついたら俺は雨が降る外にいた。


読んでくださり、ありがとうございます。

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