93話 驚異と戦闘!なのです!!⑥
巨大なエネルギアが動き始める。
(急げ! 完全に動き出す前に、ここを離れるぞ!)
「了解なのです!」
「分かったわ!」
「急ぐの~~!」
「はいっ!」
「了解です!」
「分かったの!」
「はい!」
みきしおたちは、一斉にその場から離れていく。
海底に広がっていた濁りの中を抜け、アーク・トリニティが待つ方向へ向かって進んでいく。
「もっと急ぐのです!」
「分かってるわ!」
みきしおとてんりゅうが先頭を進み、その後ろをよなぐにとくろしおが続く。
U-ハイドラとアイオワが後方を警戒しながら進み、ずいほうはドローンを後ろへ向けていた。
「……追ってきているの」
ずいほうの言葉に、湊が画面を見る。
(どのくらい離れている?)
「まだ距離はあるの。でも、こっちへ向かって動いているの」
(そうか……)
湊は少しだけ画面を見つめる。
巨大な身体。
その背中には、あの巨大な主砲。
そして、先ほどまで自分たちを追い詰めていた怪物が、今もこちらへ向かっている。
(全員、そのまま進め。振り返って攻撃する必要はない)
「攻撃しなくていいのです?」
(ああ。俺たちの任務は、あいつを倒すことじゃない)
(調査は十分できた。必要なデータも取れている)
(だから、今は全員で帰ることを優先する)
「……分かったのです」
みきしおは前を向く。
その表情には、少しだけ安心した様子が浮かんでいた。
「早く帰って、休みたいのです……」
「まだ帰ってないでしょう」
てんりゅうがすぐに返す。
「分かってるのです!」
「だったら、ちゃんと前を見て進みなさい」
「は、はいなのです!」
「疲れた~~……」
U-ハイドラが後ろから呟く。
「U-ハイドラも!」
「分かってる~~」
そんなやり取りをしながらも、全員の速度は落ちない。
しばらくして、ずいほうが再びドローンの映像を確認する。
「……少しずつ、離れているの」
(本当か?)
「ええ。私たちのほうが速いみたいなの」
(よし……)
湊はほっと息をつく。
まだ安心はできない。
けれど、少なくとも巨大なエネルギアとの距離は、少しずつ広がっていた。
「整備士さん」
ずいほうが声をかける。
「このままなら、帰れるの」
(ああ。このまま行けばな)
湊は前方の海中を見つめる。
そこには、まだ遠いながらもアーク・トリニティへ続く航路がある。
(みんな、もう少しだ。このまま進むぞ)
「了解なのです!」
「はい!」
「分かったわ!」
「了解~~!」
七人はそのまま、基地へ向かって進み続ける。
背後には、まだ巨大なエネルギア。
けれど、その距離は少しずつ、確実に離れていっていた。
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