92話 驚異と戦闘!なのです!!⑤
まばゆい光が、巨大な砲身の奥で膨れ上がる。
(来るぞ! 全員、回避!!)
「はいっ!」
「了解なのです!」
「分かったわ!」
「了解~~!」
「了解です!」
「はい!」
「分かったの!」
みきしおたちは、一斉にそれぞれの方向へ散開する。
次の瞬間――。
ズドォォォォォン!!!
巨大な砲撃が海中を走った。
砲弾が海底へ突き刺さり、大きな爆発が起こる。
ドゴォォォォン!!!
砂や岩が一気に舞い上がり、海中が濁っていく。
「うぅ……見えにくいのです!」
(気をつけろ! まだ終わってないぞ!)
巨大なエネルギアは、砲撃を終えても止まらない。
その巨大な身体が、ゆっくりとこちらへ向きを変えていく。
その時だった。
「整備士さん!」
ずいほうの声が響く。
「隙間が見えたの!」
(本当か?)
「ええ。今なら、はっきり見えるの」
ずいほうのドローンが、巨大なエネルギアの背中を映し出す。
そこには、装甲の一部にある小さな隙間。
淡い光が、その奥から漏れ出している。
「やっぱり、主砲へ向かって流れているの」
(……やっぱりか)
湊は画面を見つめる。
巨大な主砲が動くたびに、隙間の光が強くなる。
そして、砲撃が終わると、その光は少しだけ弱くなっていた。
(あの隙間は、主砲にエネルギーを送っている場所なのかもしれない)
「じゃあ、そこを攻撃すれば……!」
よなぐにが言う。
(ああ。でも、誰でもいいわけじゃない)
湊は一人の潜水娘を見る。
(アイオワ)
「……はい」
(お前の出番だ)
アイオワが目を見開く。
(温存していた魚雷を使う。狙うのは、あいつの背中にある隙間だ)
「……分かったわ」
アイオワは、自分の魚雷を確認する。
これまで温存していた、高い火力を持つ魚雷。
ここで、それを使う。
(みきしお、てんりゅう、よなぐに、くろしお。お前たちは正面から攻撃して、あいつの注意を引いてくれ)
「了解なのです!」
「分かったわ!」
「はいっ!」
「任せてください! です!」
(U-ハイドラは、その後ろから援護。ずいほうはドローンで隙間を監視)
「了解~~」
「分かったの!」
(アイオワは、俺が合図するまで待機だ)
「はい♪」
全員が動き始める。
「水核魚雷、てー!! なのです!」
みきしおたちが一斉に攻撃する。
魚雷が巨大なエネルギアへ向かって飛んでいく。
爆発が連続して起こる。
巨大なエネルギアが、みきしおたちへ向きを変える。
「こっちなのです!」
「よそ見しないで!」
巨大な身体が、みきしおたちを追う。
「今なの、整備士さん!」
ずいほうが叫ぶ。
(アイオワ、今だ!)
「――魚雷、フォイヤ!!」
アイオワの魚雷が放たれた。
海中を一直線に進み、巨大なエネルギアの背中へ向かっていく。
巨大なエネルギアが、魚雷に気づいた。
だが――遅い。
魚雷は、そのまま小さな隙間へ突き進む。
「当たって……!」
アイオワが見つめる。
そして――。
ドォォォォォン!!!
魚雷が隙間へ命中した。
巨大なエネルギアの背中から、まばゆい光が一気に噴き出す。
「効いたの!」
ずいほうが叫ぶ。
巨大なエネルギアが、大きく身体を揺らした。
「グォォォォォォ……!」
そして、動きが止まる。
背中に取り付けられていた主砲も、途中で動きを止めていた。
(効いた……!)
「エネルギーの流れが止まっているの!」
ずいほうが確認する。
今まで流れていた光が、弱くなっていく。
(よし! 今しかない!)
湊はすぐに指示を出す。
(全員、撤退するぞ!)
「了解なのです!」
「分かったわ!」
「了解~~!」
「はいっ!」
「了解です!」
「分かったの!」
「はい!」
みきしおたちは、一斉に進行方向を変える。
巨大なエネルギアから離れ、アーク・トリニティへ向かって移動を開始する。
しかし――。
「整備士さん……!」
ずいほうが振り返る。
「……動き始めているの」
巨大なエネルギアの身体が、ゆっくりと持ち上がっていく。
(急げ! 完全に動き出す前に、ここを離れるぞ!)
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