87話 調査任務!なのです!!⑦
暗闇の中で灯った光は、ゆっくりとこちらへ向けられていた。
(アイオワ、どうだ……)
湊が尋ねる。
「はい、エネルギアであることは分かります」
アイオワはソナーを見つめながら答える。
「ですが……あの金属質の身体はいったい、何なのでしょう……」
アイオワの言葉に、湊も画面を見つめる。
たしかに、エネルギアがそのようなものを身に着けている例はない。
金属のような装甲。
巨大な身体。
そして、その背中に見える何か。
(ずいほう、ドローンを近づけられるか?)
「分かったの……」
ずいほうは水中ドローンを操作する。
ドローンが巨大なエネルギアへとゆっくり近づいていく。
暗い地下空間を進み、巨大な身体を映し出していく。
「…………っ!?」
ずいほうの表情が変わった。
「……長門……」
「長門?」
てんりゅうが聞き返す。
「長門、って?」
よなぐにも首を傾げる。
みきしおたちも、ずいほうの言葉の意味が分からず、映像を見る。
「……あの、紋様は旧日本海軍の紋様なの」
ずいほうが映像を見つめながら言う。
「それに、背中の……この大きさの、この形の主砲は……」
ずいほうは一度言葉を止める。
「45口径41cm連装砲なの」
「……」
全員が黙って映像を見る。
「あれは戦艦長門なの」
ずいほうが断言する。
「間違いないの」
「戦艦……長門……」
てんりゅうが呟く。
(つまり、あのエネルギアが戦艦長門を背負ってる、ということか)
湊の言葉に、ずいほうが頷く。
「なの」
「何それ、強そう、です」
くろしおが映像を見ながら言う。
たしかに、あの巨大な主砲がエネルギアに使えるのなら、驚異的な火力になる。
「ど~するの~~?」
U-ハイドラがのんびりと尋ねる。
「……まずは、あいつの動きを確認する」
湊が答える。
(まだ攻撃はしない。相手が何をするのか分からないからな)
「了解なのです!」
みきしおが返事をする。
そのときだった。
ギギギギ……。
金属が擦れるような音が響いた。
「……?」
ずいほうがドローンの映像を見る。
巨大な身体が、ゆっくりと動いていた。
そして――。
背中に取り付けられた巨大な主砲が、ゆっくりと動き始める。
「……主砲が動いています」
アイオワが言う。
「えっ……?」
よなぐにが声を漏らす。
巨大な砲身が、少しずつこちらへ向きを変えていく。
「……まさか」
てんりゅうが構える。
(全員、警戒!)
湊の声が響く。
「了解なのです!」
みきしおが身構える。
「これは……まずいの」
ずいほうもドローンを操作する。
そのとき、アイオワのソナーに強い反応が現れた。
「……エネルギー反応が、主砲に集まっています」
「……!」
全員の表情が変わる。
巨大なエネルギアの背中。
そこにある戦艦長門の主砲へ、何かが集まっていく。
「整備士さん……」
ずいほうが小さく呟く。
「これ……撃てるの?」
湊は画面を見つめる。
そして――。
巨大な主砲が、完全にこちらを向いた。
体育館全体に、低い唸り声のような音が響き渡る。
ゴゴゴゴゴ……。
「……全員、最大警戒!」
湊が叫んだ。
巨大な砲身の奥で、まばゆい光が集まり始めていた。
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