86話 調査任務!なのです!!⑥
「……地下から、何かが上がってきています」
アイオワがソナーを見つめたまま言う。
(全員、その場から少し離れてくれ)
「了解なのです!」
みきしおたちが崩落した床から距離を取る。
「ドローンはどうするの?」
ずいほうが尋ねる。
(そのまま地下を確認してくれ。ただし、無理はしないで)
「分かったの」
ずいほうが操作すると、水中ドローンが暗い地下空間をゆっくりと進んでいく。
「……何も見えないの」
「反応はどう?」
(アイオワ、どうだ?)
「強くなっています」
アイオワの表情が少し険しくなる。
「先ほどよりも、ずっと強いです」
そのとき――。
ドンッ……!
体育館全体が大きく揺れた。
「きゃっ!」
よなぐにが驚いて声を上げる。
「みんな、大丈夫?」
てんりゅうが周囲を見る。
「だ、大丈夫ですっ」
(まだ動くな。崩れる可能性がある)
湊の声が響く。
「整備士さん」
ずいほうが小さく声を上げる。
「ドローンの映像に、何か映ったの」
「何~、何~~?」
U-ハイドラが尋ねる。
「分からないの……。暗くて、よく見えないの」
送られてきた映像には、巨大な何かの一部が映っていた。
金属のようにも、生物の身体のようにも見える。
「……大きいですね」
アイオワが呟く。
その直後。
ドンッ……!
再び大きな振動が体育館を揺らした。
「……!」
ずいほうたちは一斉に暗い地下を見つめる。
崩落した床の周囲に、細かな亀裂が走っていく。
パキッ……。
ピキッ……。
古びた床が、ゆっくりと音を立てながら軋んでいた。
「これ……大丈夫なのです?」
みきしおが不安そうに尋ねる。
(全員、そのまま後ろへ)
「はい!」
みきしおたちはさらに距離を取る。
「ドローンは?」
「まだ地下にいるの」
(映像を確認する)
湊のスマート・バイザーに、ドローンから送られてくる映像が表示される。
暗い地下空間。
崩れたコンクリート。
そして、その奥にある巨大な何か。
「……また動いたの」
ずいほうが呟く。
映像の奥で、何かがゆっくりと動いていた。
巨大な金属のような表面。
その一部には、何かの装甲のようなものが重なっている。
「これ……機械なの?」
よなぐにが首を傾げる。
「分かりません」
アイオワが答える。
「ですが……ソナーの反応は、生物に近いです」
「生物……?」
てんりゅうが地下を見る。
そのときだった。
ドンッッ!!
これまでよりもはるかに大きな衝撃が体育館を揺らした。
「きゃあっ!」
よなぐにが思わず声を上げる。
「危ない!」
てんりゅうがよなぐにの腕を掴み、支える。
崩落した床が、大きく沈み込んだ。
ガラガラガラッ!
大量の瓦礫が地下へ落ちていく。
「な、なんなのですか……」
みきしおが目を見開く。
(みんな、その場から動かないで!)
湊の声が響く。
地下から、大きな音が聞こえてくる。
ズズズ……。
ギギギ……。
まるで巨大な何かが、狭い空間を押し広げるような音だった。
「……来ます」
アイオワが小さく言う。
「何が来るの?」
ずいほうが尋ねる。
「……分かりません。でも――」
アイオワのソナーに、巨大な反応が映る。
「こちらへ向かっています」
次の瞬間。
地下から巨大な何かが、ゆっくりと姿を現した。
崩落した床の下から、巨大な装甲の一部がせり上がってくる。
「……!」
全員が息を呑む。
さらに瓦礫が崩れ、その奥から巨大な身体が見えていく。
まだ全貌は分からない。
しかし、それだけでも――。
今まで見てきたエネルギアとは、明らかに大きさが違っていた。
「……あれって……」
みきしおが呟く。
巨大な何かが、ゆっくりと顔を上げる。
暗闇の中で、ひとつの光が灯った。
そして――。
「……こっちを、見たの?」
ずいほうが小さく呟いた。
体育館に、再び大きな振動が響き渡った。
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