83話 調査任務!なのです!!③
「……今の、何だったんですか?」
よなぐにが不安そうに尋ねる。
「分からないの。まだ反応はあるの」
ずいほうは、じっと扉を見つめていた。
(……みんな、警戒してくれ)
湊の声がバイザーから響く。
「了解なのです!」
みきしおが答え、他の潜水娘たちも周囲を見回した。
(アイオワ、反応は?)
「まだあります。でも、先ほどより少し弱くなっています」
「弱くなった……?」
てんりゅうが不思議そうに呟く。
「何かが動いたように感じましたけど……」
「そうですね。ですが、今のところ外へ出てくる様子はありません」
アイオワがソナーを確認する。
(ずいほう、ドローンはどうだ?)
「扉の周囲を確認しているの。……あ、ここの横に小さな隙間があるの」
(隙間?)
湊が尋ねる。
「うん。でも、人は通れないくらい小さいの」
ずいほうの水中ドローンが、扉の横に残された細い隙間へ近づいていく。
「中は……暗くてよく見えないの」
(なら、無理に入れる必要はないな)
湊がそう言った。
(周囲の確認は大丈夫か?)
「大丈夫なの。いつでも、確認できるの」
(よし、くろしお、扉を調べてくれるか?)
「はい! です」
くろしおが扉へ近づき、表面や周囲を確認する。
「壊れているところはありますけど、完全に動かなくなっているわけではなさそうです」
「開けられそ~~?」
U-ハイドラが覗き込む。
「少し調べてみます! です」
くろしおは扉の端に付いている古い装置へ目を向ける。
「……ここに操作装置があります」
「まだ使えるの?」
よなぐにが尋ねる。
「分かりません。でも、少しだけ反応があります」
(よし。無理はしないでくれ)
「了解です!」
くろしおが装置を慎重に確認する。
しばらくして――。
「……動いたです!」
「本当?」
「はい! 少しだけですけど!」
古い装置の一部が、かすかに点灯する。
「すごいの……」
ずいほうが呟いた。
「長い間、海の中にあったのに……」
「それだけ、この施設が頑丈だったということでしょうか」
アイオワが周囲を見ながら言う。
「どうやら、完全に停止していたわけではないみたいだね」
てんりゅうは扉を見つめた。
(くろしお、開けられるか?)
「やってみます!」
くろしおが装置を操作すると、
ゴゴゴゴ……
低い音を立てながら、扉がゆっくりと動き始めた。
「開いたです!」
みきしおが声を上げる。
(みんな、まだ近づきすぎるな)
湊が注意する。
扉が少しずつ開いていく。
その向こうには、海水に満たされた暗い通路が続いていた。
壁には古い照明が並んでいるが、そのほとんどは消えている。
「……中は、かなり暗いですね」
よなぐにが呟く。
(ずいほう、ドローンを先に入れられるか?)
「分かったの」
水中ドローンが、開いた扉の隙間からゆっくりと内部へ入っていく。
「……通路みたいなの」
ずいほうが送られてくる映像を見る。
「奥まで続いているようです」
アイオワもソナーを確認する。
「今のところ、動くものは確認できません」
「よし。まずはここから調べよう」
湊が指示を出す。
「みんな、勝手に先へ行かないように。慎重に進んでくれ」
「了解!」
七人はゆっくりと、沈没した学業施設の内部へ入っていった。
長い間、誰も足を踏み入れていなかった海底の施設。
その静かな内部を、潜水娘たちは少しずつ進んでいく。
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