80話 帰ってからのたのしみ!なのです!!⑦
翌朝。
第四ドックには、いつもの朝がやってきていた。
湊は整備スペースで、潜水娘たちの艤装を一つずつ確認している。
「異常なし……っと」
「おはようございます、整備士さん」
「あぁ、おはよう、アイオワ」
「今日も朝から整備ですか?」
「任務があるからな。できることは今のうちにやっておかないと」
「なるほどです」
アイオワはそう言いながら、整備スペースを見渡した。
少し前までは、見慣れない場所だった。
しかし今では、ここで朝を迎えることも、みんなと話すことも、すっかり自然になっていた。
「アイオワさ~ん! おはようなのです!」
「おはようございます、みきしお」
「今日からまた任務なのです!」
みきしおが元気よく声をかける。
「そうですね。頑張りましょう」
「私も頑張るのです!」
「朝から元気ね」
てんりゅうが後ろからやってくる。
「私は~、まだ眠い~~」
「あんたはいつもでしょう……」
「ん~~、そうだった~~」
「おはようございますです」
よなぐにとくろしおもやってくる。
「おはようございますっ!」
「今日はどんな任務でしょうか?」
「まだ詳しい内容は来てないな」
湊がそう答えると、ずいほうもゆっくりと整備スペースへ入ってきた。
「おはようなの」
「おはよう、ずいほう」
「今日も、みんな一緒なの」
「そうだね」
湊はみんなを見渡す。
昨日までの遠足が嘘のように、いつもの第四ドックが戻っている。
けれど――そこには、以前とは少しだけ違う景色があった。
新しい仲間が一人増えたことで、第四ドックは前よりも少しだけ賑やかになっていた。
「そういえば、アイオワさんが来てから、もっと賑やかになった気がします!」
「私も、そう思います」
よなぐにが頷く。
「最初は少し緊張していましたけど、今ではもう普通にお話しできますね」
「そうね」
てんりゅうも頷く。
「もう、いちいち遠慮する必要なんてないんじゃない?」
「そうですか?」
「そうなのです!」
みきしおが笑う。
「アイオワさんは、もう第四ドックの仲間なのです!」
「……そうですね」
アイオワは少しだけ驚いたようにみんなを見る。
そして、嬉しそうに微笑んだ。
「私も、ここへ来られてよかったと思っています」
「それならよかった」
湊はそう言って、最後の艤装を確認する。
「これで全員の整備は大丈夫だね」
「準備万端なのです!」
「私も大丈夫ですっ!」
「こっちも問題ないわ」
「私も~、大丈夫~~」
「私も、です」
「はい♪」
「了解なの」
七人の返事が、第四ドックに響く。
湊はその声を聞きながら、スマート・バイザーを軽く整えた。
「よし。それじゃあ、今日も一日頑張るか」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
こうして、いつもの一日が始まった。
遠足の日とは違う。
特別な日でもない。
けれど、湊にとっては大切な日常だった。
みきしおたちと、そして新しく加わったアイオワと過ごす第四ドック。
そこには、これまでとは少し違う笑い声があった。
それでも――いつものように、穏やかな朝だった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




