79話 帰ってからのたのしみ!なのです!!⑥
翌日。
第四ドックは、いつもと変わらない朝を迎えていた。
湊は整備スペースで、潜水娘たちの艤装を順番に確認している。
みきしおは新しく買った服を大事そうに部屋へしまい、てんりゅうは買ったバッグを眺めていた。
くろしおはというと、昨日買った工具をさっそく工具箱へ並べている。
「これはここで……こっちは、ここです」
「朝から楽しそうですね、くろしおさん」
よなぐにが声をかける。
「はい! 新しい工具は気分がいいのです!」
少し離れた場所では、U-ハイドラが昨日買った干物を眺めていた。
「今日も~食べようかな~~」
「朝から?」
てんりゅうが呆れたように言う。
「うん~~」
「……相変わらずね」
その様子を見ながら、アイオワは小さく笑う。
「昨日まで遠足をしていたのが、少し不思議なくらいですね」
「そうだね」
湊は整備道具を置き、みんなを見る。
「でも、こうしていつもの場所に戻ってくると安心するだろ?」
「はい」
アイオワは頷いた。
「やっぱり、第四ドックは落ち着きますね」
その言葉に、みきしおが振り返る。
「私もなのです!」
第四ドックには、いつもの穏やかな時間が流れていた。
「ん? どうした? ずいほう」
ずいほうが海のほうを見つめている。
「……整備士さん……海を見ていたの……。もう一度、行きたいの」
「あぁ、もちろん……エンジンドリンクのおかわり、いるか?」
湊はずいほうのカップを見ながら言う。
「もらうの」
「あ~~、わたしも~」
いつの間にか、U-ハイドラが後ろにいた。
「あぁ、いま持ってくる」
そう言い、向かう。
「最近は任務ありませんですね~」
くろしおが退屈そうにそう言う。
「休暇もありましたしっ、もうすぐじゃないですか?」
よなぐにが答える。
「次の作戦も頑張りましょうです」
「はいっ!」
「それに、危険はない方がいいですしね」
アイオワがそう言う。
「アイオワさん、ですねっ」
「えぇ、平和な世が早く来てくれるといいのですが」
「わかります、です……。それが難しいことも……」
「人間は学ぶの……学んで、進んで、進み続けるの」
ずいほうが懐かしむように言う。
「争いは~~嫌い~だから~~、みんな平和な世界を~作ろ~~」
U-ハイドラもそう言う。
「持ってきたぞ……。なに話してたんだ?」
「ありがとうなの」
「お~~、秘密だよ~~」
U-ハイドラは受け取りながらそう言う。
「なんだよ、それ」
湊は少し笑いながら言う。
「そうだ、おまえたちのも作って持ってきたが、いるか?」
「いりますっ!」
「はーい、です」
「ありがとうございます」
「整備士さん」
後ろから話しかけられた。
「ん? みきしお? どうした」
みきしおだった。
「改めて、昨日はありがとうなのです」
みきしおは深々と頭を下げる。
「いや、礼はいい。たまには休憩も大事だからな」
そう言い、湊はエンジンドリンクを差し出す。
「はい!」
「ほら、てんりゅうも」
「えぇ、もらうわ」
その時、ピコンッ、と湊のスマート・バイザーにメールが届いた。
「司令官から?」
『休暇は楽しめたようだな。明日からはいつも通り、任務に当たってもらう。成果を楽しみにしている』
「なるほど。みんな、明日からは任務に当たるそうだ。準備はおこたるなよ」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
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