78話 帰ってからのたのしみ!なのです!!⑤
お菓子や干物を食べ終えた私たちは、休憩スペースでのんびりしていた。
「今日は、いろんなところへ行きましたね」
アイオワが今日一日のことを思い出しながら言う。
「そうなのです! 港湾区から居住区、それから商業区、中央区、研究区、緑地区、最後は旧市街区なのです!」
みきしおが指を折りながら数えていく。
「結構歩いたわね……」
てんりゅうが少し疲れたように言う。
「でも、楽しかったです!」
よなぐにが笑う。
「私もです。街には、私たちが知らないものがたくさんありました」
「研究施設も~、いっぱいあったね~~」
U-ハイドラが思い出す。
「U-ハイドラは研究区で何を見てたの?」
「ん~~、建物~~」
「それだけ?」
「うん~~」
「相変わらずなの……」
ずいほうが呆れたように呟く。
「私は市場が楽しかったです!」
くろしおが元気よく言う。
「いろんな食べ物がありましたし、工具もありました!」
「くろしおは工具の方が印象に残ってるんじゃない?」
てんりゅうが笑う。
「もちろん工具も大切です!」
「やっぱりね……」
みんなが笑う。
「私は、商業区で買い物をしたのが楽しかったです」
アイオワが話す。
「服を選んだり、雑貨を見たり……。こういう経験は初めてでしたから」
「アイオワ、楽しそうだったのです!」
「はい。とても楽しかったです」
アイオワは嬉しそうに微笑んだ。
「また行きたいですっ」
よなぐにもそう言う。
「次は、今回行けなかった場所も見てみたいですね」
「そうだね」
湊が頷く。
「今回は時間も限られていたからな。次に行く機会があれば、もっとゆっくり回ろう」
「賛成なのです!」
みきしおが手を上げる。
「私も賛成よ」
てんりゅうも頷く。
「私もです」
「ん~~、私も~~」
「U-ハイドラは干物を買いたいだけじゃないの?」
「それも~、楽しみ~~」
「やっぱりそれなのね……」
てんりゅうが苦笑する。
「……私は」
ずいほうが小さく口を開く。
「旧市街区に、また行きたいの」
「ずいほう……」
アイオワが隣を見る。
「古い店や建物が残っていて、少し気になることもありましたから」
「そうだな。今度はみんなで行こう」
湊がそう言う。
「……うん」
ずいほうは小さく頷いた。
「その時は、私も一緒に行きます」
アイオワが言う。
「ありがとうなの」
ずいほうは嬉しそうに微笑んだ。
「今日は本当に楽しかったですね」
アイオワが改めてみんなを見る。
「みなさんと一緒に街を歩いて、買い物をして、こうして帰ってきて……」
少しだけ間を置いて、アイオワは笑った。
「私も、第四ドックの一員になれた気がします」
「もちろん、最初から仲間なのです!」
みきしおが元気よく答える。
「そうね」
てんりゅうも頷く。
「今さら何を言ってるのよ」
「そうですよっ」
よなぐにも笑う。
「アイオワさんは、もう私たちの仲間ですっ!」
他のみんなも頷く。
「……ありがとうございます」
アイオワは嬉しそうに微笑んだ。
湊もその様子を見ながら、静かに笑った。
遠足は終わった。
けれど、今日一日でできた思い出は、これからもみんなの中に残っていくだろう。
「さて、今日はもう遅い。そろそろ休もうか」
「はい!」
「おやすみなのです~」
「おやすみ~~」
みんながそれぞれの部屋へ向かっていく。
第四ドックには、いつもの夜が戻ってきた。
けれど、その日常の中には、新しい仲間と過ごした新しい思い出が、確かに加わっていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




