73話 みんなと遠足!なのです!!⑪
「ただいまなの。心配かけたの……」
「いや、謝る必要はない。これは“作戦”ではなく“遠足”だから。寄り道も、人探しも、ハプニングも、すべてを入れて『遠足』だからな」
「そうなのですよ♪」
「そうね。それに、作戦にもハプニングとかはつきものよ! いちいち気にせず、前を向きなさい!」
「お~~、探すのも~結構楽しい~~」
「ですね。お怪我があれば、私は直すだけ、です」
「はいっ! みんなで探すの、楽しかったです!」
「そうですよ、ずいほう。みなさんの言う通りです。遠足にも、作戦にも、ハプニングはついてきます。作戦なら、それをどう挽回し、立て直すか。遠足なら、それすらも楽しむ、ですよ♪」
「あぁ、その通りだ、アイオワ。さぁ」
湊はずいほうに手を伸ばす。
「行こう」
「……そう、するの」
ずいほうはその手を取り、進んだ。
しばらくして。
「もう暗くなってきましたね」
「そうだな。そろそろ港へ戻ろう」
「え~、もう帰るの~~?」
U-ハイドラが少し残念そうに言う。
「今日はいっぱい歩いたでしょう」
「ん~~、でも~、まだ歩けるよ~~」
「U-ハイドラは元気なの……」
ずいほうが小さく呟く。
「でも、また来ればいいのですよ♪」
みきしおが笑う。
「そうね。次はもっとゆっくり見て回りたいわ」
てんりゅうも頷く。
「私も……また来たいですっ」
よなぐにも、振り返りながら言った。
「そうですね。次は行けなかった場所にも行ってみたいです」
アイオワも街を見渡す。
夕暮れだった街は、少しずつ明かりが灯り始めていた。
店の看板が光り、人々が帰路へ向かって歩いている。
「街って、夜になるとこんなに変わるんですね」
よなぐにが驚く。
「海の上とは、また違った景色だね」
湊も足を止め、街を眺める。
「そろそろ本当に行こう。船に遅れたら大変だから」
「はい!」
みきしおが元気よく返事をする。
みんなで並んで歩きながら、来た道を戻っていく。
その途中、ずいほうが一度だけ旧市街区の方へ振り返った。
「……また、来るの」
小さく呟く。
「何か言いましたか?」
アイオワが尋ねる。
「ううん、なんでもないの」
ずいほうはそう言って、みんなの後を追った。
やがて港が見えてくる。
「ほら、見えてきた」
「本当なのです!」
「今日は楽しかったです!」
潜水娘たちの声が、夕暮れの港に響いた。
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