70話 みんなと遠足!なのです!!⑧
研究区を抜けた私たちは、緑地区へと続く道を歩いていた。
高い建物は少なくなり、代わりに街路樹や花壇が増えていく。
「わぁ……」
よなぐにが目を輝かせる。
「本当に緑がいっぱいですねっ」
「そうだね。中央区や研究区とは、ずいぶん雰囲気が違う」
湊が答える。
しばらく歩くと、大きな公園が見えてきた。
広い芝生に木々が並び、その奥には色とりどりの花が植えられている。
「公園なのです!」
みきしおが嬉しそうに駆け出そうとする。
「待ちなさい、みきしお。はぐれるわよ」
てんりゅうが呼び止める。
「分かってるのです!」
そう言いながらも、みきしおは楽しそうに公園を見ていた。
「ここなら、ゆっくりできそうですね」
「そうですね」
アイオワも周囲を見渡す。
「人間は、こういう場所で休んだり遊んだりするのですね」
「そうだね。任務で海にいることが多い私たちには、こういう場所は新鮮だよね」
U-ハイドラが芝生を見つめる。
「ここで~、お昼寝したら~気持ちよさそう~~」
「また、のんびりするつもりなの?」
てんりゅうが呆れたように言う。
「うん~~」
「即答なの……」
ずいほうが小さく呟く。
みんなで公園を歩いていると、今度は大きな温室が見えてきた。
「これは何ですか?」
よなぐにが尋ねる。
「植物園だな。いろんな植物を育てている場所だよ」
「植物園……」
よなぐには興味津々にガラス越しの植物を見つめる。
「入ってみたいです!」
「いいぞ。せっかくだから、少し見ていこう」
温室の中には、さまざまな植物が並んでいた。
「こんなにたくさん……」
くろしおも辺りを見回す。
「これ、食べられる植物ですか?」
「そこまで全部食べ物じゃないぞ」
「そうですか……」
少し残念そうなくろしおを見て、みきしおが笑う。
「くろしおは、どこに行っても食べ物と工具のことばっかりなのです」
「大事なことなのです!」
「そうかもね」
アイオワが微笑む。
その後も花や木々を眺めながら、みんなでゆっくりと歩いた。
やがて、緑地区の端へ着く。
そこから先には、今までとは違う古い建物が見え始めていた。
「……あれは?」
ずいほうが、静かに前を見つめる。
湊もその方向を見る。
「この先が旧市街区だな」
「旧市街区……」
ずいほうは、その名前を聞いてしばらく黙っていた。
「行ってみようか」
湊が声をかける。
「……うん」
ずいほうは小さく頷いた。
みんなもその後に続く。
緑に囲まれた道を抜け、私たちはゆっくりと旧市街区へ向かって歩き始めた。
遠足は、まだ終わらない。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




