69話 みんなと遠足!なのです!!⑦
商業区を抜けた私たちは、中央区へ続く大通りを歩いていた。
「さっきまでとは、ずいぶん雰囲気が違いますね」
よなぐにが周囲を見回す。
「あぁ。中央区は新海市の中心だからな。市役所や行政施設、それに大きな企業の本社なんかが集まっている」
湊が説明すると、目の前に高い建物がいくつも並んでいるのが見えた。
「わぁ……高いのです!」
みきしおが首を上げる。
「こんなに大きな建物がたくさんあるんですね」
アイオワも興味深そうに眺めている。
「これが人間の都市の中心部……」
「立派なの」
ずいほうも建物を見上げる。
大きな道路を進んでいくと、やがて特徴的な形をした建物が見えてきた。
「あれは?」
てんりゅうが尋ねる。
「新海市役所だよ」
「市役所ですか」
「そう。ここで街のいろんなことを決めたり、手続きをしたりするんだ」
「なるほどです……」
くろしおが頷く。
「潜水娘の整備には関係ありますか?」
「市役所では整備はしないな」
「そうですか……」
少し残念そうなくろしおを見て、てんりゅうが苦笑する。
「どこでも整備のことを考えるのね」
「大事です!」
しばらく中央区を歩いた後、私たちはさらに先へ進んだ。
高い建物が少しずつ減り、代わりに大きな研究施設のような建物が増えていく。
「ここから研究区だ」
湊が言う。
「研究区……」
アイオワが興味深そうに辺りを見る。
「ハイドロ・コアやエネルギー、海洋について研究している施設が集まっているんだ」
「ハイドロ・コアも?」
「あぁ。君たちが普段飲んでいるエンジンドリンクにも関係しているから」
潜水娘たちは周囲の施設を眺めながら歩いていく。
大きなガラス張りの建物。
海洋生物の研究施設。
ハイドロ・コアの研究施設。
遠くには巨大な実験設備まで見える。
「なんだか、難しそうな場所なのです」
「そうですね」
「でも~、ちょっと興味ある~~」
U-ハイドラがのんびりと言う。
「U-ハイドラは研究するの?」
「ん~~、見てるだけ~~」
「やっぱりなの……」
ずいほうが小さく呟いた。
研究区をしばらく歩く。
すると、今度は建物の数が少なくなり、目の前に緑色の景色が広がってきた。
「……あれは?」
よなぐにが尋ねる。
湊は前方を指差した。
「緑地区だよ」
「緑地区……?」
「あぁ。公園や植物園、それに人工林なんかがある場所だ。資源が貴重な今じゃ、こういう場所も大切にされている」
「森……ですか」
よなぐにの目が輝く。
「行ってみたいです!」
「私もなのです!」
みきしおが元気よく手を上げる。
「では、次は緑地区へ行こうか」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
みんなの声が重なる。
私たちは研究区を離れ、緑の広がる場所へ向かって歩き始めた。
都市の中心を抜けた先に広がる、静かな緑。
遠足は、まだ続いていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




