68話 みんなと遠足!なのです!!⑥
商業区の店を出た私たちは、そのまま大通りを歩いていた。
みきしおが湊の隣を歩きながら聞いてくる。
「まだ時間もあるし、最後に市場を見てみようか」
「市場ですか?」
よなぐにが興味深そうに聞く。
「あぁ。食べ物やいろんな商品が集まっている場所だよ」
「食べ物……!」
くろしおの目が輝く。
「くろしお、食べ物に興味があるの?」
「はい! どんなものが売っているのか見てみたいです!」
「それなら、行ってみよう」
しばらく歩くと、商業区の中でもひときわ人の多い場所へたどり着いた。
そこにはたくさんの店が並び、野菜や果物、魚、加工食品などが整然と並べられている。
「わぁ……!」
「すごい、人がいっぱいですね」
みきしおとよなぐにが、周囲を見回す。
「ここが市場なのね」
てんりゅうも興味深そうに商品を眺めていた。
「思っていたより、いろいろありますね」
アイオワも棚に並んだ商品を一つずつ見ている。
「こういう場所は初めてですか?」
「はい。いつもは基地にいますから」
「それはそうなの」
ずいほうもゆっくりと商品を見て回っていた。
「玉子もあるの……」
小さく呟く。
「ん? どうした、ずいほう」
「……なんでもないの。ちょっと気になっただけなの」
「そうか」
湊はそれ以上聞かず、店の中を見回した。
その横では、U-ハイドラが魚の並ぶ棚を眺めている。
「お魚~~、いっぱい~~」
「そうだね」
「これ~~、干したら~~?」
「……干し魚にするの?」
「うん~~」
「また干し魚ですか……」
アイオワが少し困ったように笑う。
「だって~、干し魚~おいしいよ~~」
「なるほど……」
アイオワは納得したように頷いた。
「でも、今日は買わないの?」
「ん~~、どうしようかな~~」
「決めていないんですね」
「うん~~」
「本当にいつも通りなの……」
ずいほうが小さく呟く。
しばらく市場を見て回り、それぞれ気になったものを見つけていく。
「整備士さん、これ買ってもいいですか?」
くろしおが小さな袋を持ち上げる。
「それくらいならいいぞ」
「ありがとうございます!」
「私はこれが気になります」
よなぐには小さな菓子の袋を手に取る。
「お土産にするのもよさそうですね」
「あぁ、そうだな」
「私はこれ~~」
U-ハイドラが干物を持ち上げる。
「やっぱりそれなのか」
「うん~~」
湊は苦笑しながら頷いた。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
「もうですか?」
みきしおが残念そうに聞く。
「あぁ。まだ中央区も見てみたいだろ?」
「もちろんです!」
「それじゃあ、行きましょう」
アイオワがみんなを促す。
買ったものを袋へまとめ、湊が持つ。
潜水娘たちはそれぞれの買い物を終え、商業区の大通りを歩いていく。
やがて、今まで見えていた店の数が少しずつ減っていった。
「もう商業区も終わりなのね」
てんりゅうが振り返る。
「そうみたいだな」
湊が前を見る。
その先には、これまでとは違う大きな建物が立ち並んでいた。
「……あれが中央区?」
よなぐにが尋ねる。
「あぁ。これからあそこへ向かう」
「どんなところなのでしょう」
「行ってみれば分かるさ」
湊が歩き出す。
潜水娘たちも続いていく。
商業区を抜け、中央区へ続く道へ足を踏み入れた。
「次は中央区なのです!」
みきしおの明るい声が、街中に響いた。
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