64話 みんなと遠足!なのです!!②
第四ドックの潜水娘たちと整備士『湊』は、都市へ向かうため、客船に乗っている。
「海が、美しいです」
アイオワが海を見てそう言う。
「……そうだね」
「いつか、全ての海を綺麗で静かな海にしたいです」
「私も」
「船が船に乗ってるのは少し変なの」
ずいほうが来た。
「そうですね」
「でも、君たちは船は船でも潜水娘だ。人と変わらないさ」
「それはわかっているの」
「そうか」
「あ! いたのです♪」
みきしおとてんりゅうだ。
「どうした?」
「U-ハイドラを見なかった?」
「見てないね。どこかでのんびりしてるんじゃない? でも、どうしたの?」
「実は、都市、居住区でなにをしたいか、第四ドック所属の潜水娘たちに聞き回っているのです」
「それで、あとはU-ハイドラだけなのよ」
「そうだったのか……。借りてる部屋は見た?」
「あ! 見てないのです! 行ってくるのです!」
「あんまり走ると、転びますよ」
「わかっているわ、アイオワ」
そう言い、二人は向かっていった。
「騒がしいの……」
「お、港が見えてきたぞ」
「まぁ、あそこですか」
「あそこが……」
ずいほうもデッキのフェンス側へ寄ってきて覗く。
そこには家々が建ち並ぶ姿が見え、手前には港が見える。
しばらくして、みんなが集まってきた。
「よし、そろったね。みんな、はぐれないように離れないでね」
「はい、なのです」
「お~~、迷子注意~~~」
「ですです」
「迷子が出たらドローンで探すの」
「そのドローンって、陸でも使えるのですね」
「陸や空中だと遅いんじゃなかった?」
「そうなの。でも、そのくらいなら問題ないの」
「たのしみ、ですっ」
「お、ちょうど着いたみたいだ。じゃぁ行こう」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
客船がゆっくりと港へ入り、やがて大きな音を立てて停泊した。
「到着しましたね」
「いよいよ都市なのです!」
みきしおが嬉しそうに甲板から港を見渡す。
港にはたくさんの人が行き交い、荷物を運ぶ車や、貨物を積んだ船も見えていた。
「わぁ……人がいっぱい、です」
よなぐには少し驚いたように周囲を見る。
「大丈夫ですよ」
アイオワが優しく声をかける。
「私たちはみんな一緒ですから」
「……はいっ」
よなぐには小さく頷いた。
「ねぇ、整備士さん。まずどこに行くの?」
てんりゅうが尋ねる。
「そうだな。まずは港から居住区へ向かおう。そのあと、みんなが行きたい場所を順番に回ればいい」
「私は~、どこでもいいよ~~」
U-ハイドラがのんびり答える。
「それじゃあ、U-ハイドラは何も決まっていないのです?」
「うん~~」
「もう……」
てんりゅうが呆れたようにため息をつく。
「でも、U-ハイドラらしいですね」
アイオワが微笑む。
「よし、それじゃあ行こう」
湊がそう言うと、みんなは客船を降り、港へと足を踏み出した。
「わぁ……!」
目の前には、海の向こうから眺めていた都市が広がっていた。
「ここが……人間の暮らしている場所……」
ずいほうが静かに呟く。
「楽しみなのです!」
みきしおの声が、港に響いた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




