58話 深海遺跡の調査!なのです!!⑧
巨大な魚影が、海底を揺らしながら七人へ迫ってきた。
「来るのです!」
みきしおが叫ぶ。
次の瞬間、巨大な口が開き、凄まじい水流が吐き出された。
「きゃあっ!」
みきしおとよなぐにが左右へ飛び退く。
海底の砂が巻き上げられ、視界が一気に悪くなる。
「何も見えない……!」
「ずいほうさん、ドローンは大丈夫?」
「何機か見失ったの……でも、まだ動いている子はいるの」
ずいほうが指揮棒を動かす。
「みんな、少し離れてなの」
残った水中ドローンが散開し、濁った海の中から敵の位置を探っていく。
「見つけたの!」
ドローンの映像に、巨大な身体が映し出される。
「大型のエネルギアです!」
アイオワが確認する。
「魚型……いえ、細長い身体と鋭い背びれ。記録にないタイプです」
「新種ってこと?」
みきしおが尋ねる。
「おそらく」
(無理に近づくな。遺跡を壊さないように、敵を外へ誘導する)
「了解!」
てんりゅうが敵の横へ回り込む。
「こっちよ!」
水圧砲を放ち、敵の注意を引きつける。
大型エネルギアは身体をひねり、てんりゅうへ突進していく。
「速い!」
てんりゅうが回避した直後、その後ろを巨大な身体が通り抜けた。
その隙をみきしおが狙う。
「今なのです!」
魚雷を発射!
爆発が起こり、敵の身体が大きく揺れる。
「効いた!」
しかし、敵は止まらない。
怒ったように身体を大きく振り、長い尾びれで海水を叩きつける。
「っ!」
みきしおが吹き飛ばされる。
「みきしお!」
よなぐにがすぐに駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「大丈夫……まだ戦えるのです!」
U-ハイドラが二人の前へ出る。
「ここは~私が~守る~」
その間に、アイオワが敵との距離を取る。
「照準、完了」
兵装が展開される。
「今です!」
遠距離から攻撃が放たれ、敵の身体をかすめた。
大型エネルギアが進路を変える。
その先には、遺跡の入口。
「まずい!」
くろしおが声を上げる。
「このままじゃ遺跡にぶつかるのです!」
(ずいほう、敵を遺跡から離せるか?)
「やってみるの」
ずいほうは指揮棒を高く掲げる。
「水中ドローン、全機集合なの!」
残ったドローンが一斉に集まり、敵の目の前を高速で旋回する。
大型エネルギアがドローンを追いかけ、進路を変えた。
「今なの!」
てんりゅうが横から攻撃する。
みきしおも続く。
「これでどう!」
次々と攻撃が命中し、巨大な身体が大きくよろめいた。
「まだです!」
アイオワが狙いを定める。
そして、強烈な一撃が敵へ直撃した。
大型エネルギアは大きく身を震わせると、そのまま深海の闇へ逃げていった。
「……逃げたです?」
くろしおが呟く。
「反応、遠ざかっています」
アイオワが答える。
(追うな。今回は遺跡の調査が目的だ。深追いは禁止)
「了解!」
七人はそれぞれの位置を整える。
遺跡も、回収したハイドロ・コアも無事だった。
くろしおがほっと息を吐く。
「よかったです……」
ずいほうは、深海の闇を見つめていた。
「……あの子、また来る気がするの」
その言葉だけが、静かな海の中に残った。
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