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ダイブ・ドールズ 〔ディープブルー・リロード〕  作者: れんP
第1章 第五幕 ずいほうの過去と新しい気配

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42話 ずいほうの玉子料理!なのです!!②



第四ドックの調理スペース。


ずいほうは、棚の前に立っていた。


「……これと、これなの」


小さな手でいくつかの食材を取り出し、作業台へ並べていく。


その様子を、少し離れたところから湊が見ていた。


「ずいほう、何か作るのか?」


「うん。ちょっとだけなの」


「そうか」


湊はそれ以上聞かなかった。


潜水娘がエンジンドリンク以外のものを食べるとは思っていなかったため、ちょっとした暇つぶしのようなものだと思ったのだ。


「好きなのを使ってくれ。私はあまり使わないから」


「わかったの」


そう言うと、ずいほうは支給された食材を出して、調理スペースに立っていた。


ずいほうは、調理スペースに並べた材料を眺めていた。


そして、支給された食材、鶏肉、玉ねぎ、そして玉子。


これらを出した。


地上の資源がほとんど枯渇した今では、こうした食材も簡単に手に入るものではない。


「大事に使うの……」


ずいほうは玉ねぎを細かく切り、鶏肉も小さく切っていく。


フライパンに油を引き、鶏肉と玉ねぎを炒める。


ジュウッ、と音が響いた。


「いい匂いなのです」


みきしおたちが近付いてきた。


火が通ったところで、ご飯を加える。


そこへ少量のケチャップを入れ、ゆっくり混ぜ合わせる。


「これで、できたの」


赤く色付いたご飯を別の皿へ移す。


次に、ずいほうは玉子を割った。


ぱかっとボウルへ落ちた玉子を箸で溶き、フライパンへ流し込む。


薄く広がった玉子が、ゆっくり固まっていく。


「もう少し……なの」


ずいほうは慎重に火加減を調整する。


そして、玉子の中央へチキンライスを乗せた。


あとは包むだけ。


ずいほうは、少しだけ緊張した表情でフライパンを見つめていた。


「すごいです」


「お~」


「へぇ~、すごいじゃない」


「はい! ですね!」


くろしお、U-ハイドラ、てんりゅう、よなぐにも魅入る。


しばらくして……。


「できたの」


そこには、完璧と言っていいほどのオムライスができていた。


「すごいな、どこかで読んだのか?」


「うん、昔の知り合いが教えてくれたの」


ずいほうは懐かしむように語る。


「ねぇ、どうするの? これ」


「よかったら、みんなで食べるの」


「え? ……潜水娘って、エンジンドリンク以外も食べたり飲んだりするの?」


「? ……するの。いまの子はしないの?」


「いえ、もちろん食べられますよ。でも、エンジンドリンクの方が美味しいので」


みきしおが言う。


どうやら、他の食材も食べたり飲んだりできるようだ。


「そうなんだ」


「たべたい、です!」


「は、はい!」


「お皿~、持ってきた~~」


「早いな」


「えへへ~」


「ま、まぁ、どうしてもって言うなら食べるわ」


「なにそれ~」


「う、うるさいわね!」


「……ふふっ、こういうのも、わるくないの」


「そうか」


「……整備士さん、この後、時間ある、の?」


「時間? あぁ、任務が入らなければ」


「だったら、話があるの」


ずいほうは真剣そうな顔をした。


「……わかった」


ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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