41話 ずいほうの玉子料理!なのです!!①
第四ドック。今日も任務のない穏やかな時間が流れていた。
整備を終えた湊は、作業台の上を片付けながら、奥にいる潜水娘たちを見た。
「みんな、エンジンドリンクできたぞ」
「わーい!」
みきしおが真っ先に駆け寄ってくる。
「今日のは何味なのです?」
「昨日と同じだ。軽油とハイドロ・コアの配合を少し変えてある」
湊がそれぞれの容器へエンジンドリンクを注いでいく。
味や香りは整備士によって異なり、湊も自分の艦隊に合わせて配合を調整している。
「いただきます!」
みきしおが一気に飲む。
「ん~、今日もおいしい!」
「私はもう少し甘くてもいいかも」
てんりゅうがゆっくり飲みながら呟く。
「私はこのくらいが好きです」
よなぐにも嬉しそうに飲んでいる。
「ふふっ、やっぱり湊さんのエンジンドリンクは落ち着く」
くろしおも満足そうだった。
U-ハイドラはのんびりと飲み、そして、ずいほうも手にした容器を眺めていた。
「……いただきます、なの」
一口飲む。
「おいしいの」
ずいほうは小さく笑った。
湊はそんな彼女たちの様子を見ながら、空になった容器を片付けていく。
潜水娘たちにとって、エンジンドリンクは食事そのものだ。
湊もそう思っていた。
少なくとも、今日までは。
ふと、格納庫の隅に置かれた小さな調理スペースへ、ずいほうが目を向ける。
「……」
ずいほうは何かを考えるように、しばらくそこを見つめていた。
「どうした?」
「……なんでもないの」
そう答えたずいほうは、いつものように穏やかな笑みを浮かべる。
けれど、その視線はまだ調理スペースから離れていなかった。
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