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ダイブ・ドールズ 〔ディープブルー・リロード〕  作者: れんP
第1章 第四幕 海を守り艦隊も守る者

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39話 戦闘後の整備!なのです!!②



第四ドックにて、格納庫の奥では、潜水娘たちの楽しそうな声が響いていた。


「ちょっと! そんなに取らないでよ! たくさんあるでしょう?」


「私は~たくさんいるの~」


「おちつくの」


時折笑い声が聞こえてくるが、湊は振り返らない。


作業台の上には、戦闘を終えた艤装の部品が几帳面に並べられていた。


「……さて」


湊は工具箱を開き、最初の工具を手に取る。


カチッ、と、静かな音とともに、みきしおの推進ユニットを固定していたボルトを一本ずつ外していく。


高速機動を繰り返した影響で、内部には細かな海砂が入り込んでいた。


「やっぱり入り込んでるか」


ブラシで丁寧に砂を払い落とし、圧縮空気で細かな粒子まで吹き飛ばす。続いて軸受けを確認する。


「摩耗……許容範囲」


端末へ記録を入力する。


次はてんりゅうの兵装ユニット。魚雷発射管の内部を専用ライトで照らす。


焦げ跡。


わずかな歪み。


戦闘の激しさが、そのまま残っていた。


「……ここは交換だな」


部品棚から新品を取り出し、慎重に組み込んでいく。締め付けトルクを確認しながら、一本一本ボルトを締める。


カチッ、カチッ。


規則正しい音だけが工房に響く。


奥では、まだ楽しそうな声が聞こえていた。


「はわわ」


「いつも通りです」


湊は思わず小さく笑う。


「元気なのはいいことだな」


そのまま次の整備へ移る。


U-ハイドラの輸送ユニット。固定アームの可動部へ新しい潤滑剤を注入し、ゆっくりと動作を確認する。


「……異常なし」


くろしおの工作装備。修理アームの関節部に少しだけ抵抗がある。分解し、小さな金属片を取り除く。


「こんなのが挟まってたのか」


再び組み直すと、修理アームは滑らかに動き始めた。


最後はずいほう。


作業台には、水中ドローンが一列に並んでいる。一機ずつ外装を確認し、傷付いたプロペラを交換する。


通信アンテナ。


姿勢制御装置。


カメラレンズ。


すべてを点検し、異常がないことを確認してケースへ戻していく。


「よなぐにの艤装も異常ないな……これでよし」


湊は小さく息を吐いた。


工具を片付け、作業台を見渡す。


交換した部品、整備記録、異常報告書。すべて問題なく終了している。


スマート・バイザーを操作し、整備記録を送信した。画面に表示される。


【第四ドック所属部隊 戦闘後整備 完了】


送信ボタンを押す……数秒後。


【受理しました】


という文字が表示された。


湊は工具箱の蓋を静かに閉じる。


「これで次の任務にも送り出せる」


そう呟くと、格納庫の奥からまた元気な笑い声が聞こえてきた。


「待ってください~!」


「捕まえたのです!」


「逃げても無駄なの」


その賑やかな声を聞きながら、湊は穏やかに微笑んだ。


潜水娘たちが笑っていられる日常を守ること。


それもまた、整備士である自分の大切な仕事なのだと、改めて感じるのだった。


ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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