37話 よなぐにの初任務!なのです!!⑤
高級リュウグウ型エネルギアの反応が消えた。
湊は小さく息をつく。
(……全員、聞こえるか)
「はい!」
六人の返事が、ほぼ同時に通信へ響く。
(損傷状況を報告。みきしお!)
「小破なのです! 推進機関に異常はないのです!」
(てんりゅう!)
「兵装に軽微な損傷。航行に支障はないわ。」
(U-ハイドラ!)
「異常~ないよ~。貨物船団も~全艦~無事です~~」
(くろしお!)
「応急修理装備、使用準備完了です!」
(ずいほう!)
「水中ドローン三機が小破。回収は完了したの。」
(よなぐに!)
少しだけ間が空く。
「……私は大丈夫です!」
その声を聞き、湊は安堵の表情を浮かべた。
(よし。全員、護衛任務を継続! 貨物船団を目的海域まで送り届けるんだ!)
『了解!』
それから一時間。
海は驚くほど穏やかだった。
あれほど荒れていた水中が嘘のように静まり返り、六人は船団を囲むように泳ぎ続ける。
目的地の港が見えてくると、貨物船から通信が入った。
「こちら貨物船団代表です。護衛任務、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、積み荷も乗組員も無事です。」
(おまえたち、よくやった)
みきしおは嬉しそうに笑う。
「えへへ!」
よなぐにも自然と笑みがこぼれた。
「こちらこそ、お役に立ててよかったです!」
「また護衛をお願いする日が来るかもしれません。その時も、よろしくお願いします。」
通信が切れる。
湊はスマート・バイザーの画面を操作した。
「第四ドックへ帰投する。」
『了解!』
六人は向きを変え、一斉に基地への進路を取った。
やがて、巨大な海上基地が見えてくる。
第四ドック。
出撃のたびに送り出され、そして帰ってくる、彼女たちの居場所。
「第四ドック所属部隊、帰投します!」
よなぐにの元気な声が響く。
「お帰り!」
くろしおは元気よく手を振る。
「ただいまです!」
みきしおは大きく伸びをした。
「お腹すいたのです!」
「さっきまで命懸けだったのに……」
てんりゅうが呆れたように笑う。
U-ハイドラものんびりと小さく微笑んだ。
「元気なのは~いいこと~」
ずいほうは回収された水中ドローンを優しく見つめる。
「みんな、お疲れさまなの。」
その時、湊のスマート・バイザーへ通信が届く。
『司令官だ』
画面に司令官の姿が映る。
『貨物船団は予定どおり港へ到着した。』
『護衛任務は成功だ。』
六人の表情が明るくなる。
『特によなぐに。』
突然名前を呼ばれ、よなぐには驚いた。
「は、はい!」
『初任務とは思えない働きだった。』
『最後まで船団を守り抜いたことを高く評価する。』
よなぐには思わず胸に手を当てる。
「ありがとうございます!」
『もちろん、それは一人の力ではない。』
『湊。そして第四ドック所属全員の連携があってこその結果だ。』
湊は軽く頷く。
「ありがとうございます。」
『今日はゆっくり休め。』
『次の任務に備えて、艤装の点検と整備を忘れるな。』
「了解しました。」
通信が終了すると、ドックには静かな風が吹き抜けた。
よなぐには目の前に並ぶ仲間たちを見渡す。
「私……皆さんと一緒に海を守れて、本当によかったです。」
みきしおは笑顔でよなぐにの肩を叩く。
「もう立派な仲間なのですよ!」
「はい!」
よなぐには力強く頷いた。
こうして第四ドック所属部隊は、六人全員で初めての護衛任務を成功させた。
誰一人欠けることなく。
守るべき人々を守り抜いたという誇りを胸に、それぞれが次の任務へ向けて新たな一歩を踏み出すのだった。
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