33話 よなぐにの初任務!なのです!!①
第四ドック。
海風がゆっくりと吹き抜ける。巨大な出撃ゲートの向こうには、どこまでも青い海が広がっていた。
湊は整備を終えた潜水娘たちを見回しながら、最終確認を行っていた。
「みきしお、推進機関は?」
「異常なしなのです!」
「てんりゅう」
「兵装、問題なしよ」
「U-ハイドラ」
「輸送設備~、正常~」
「くろしお」
「工作装備、いつでも使えるのです!」
「ずいほう」
「水中ドローン、全機待機中なの」
「よなぐに」
名前を呼ばれたよなぐには、少し緊張した様子で姿勢を正した。
「海防装備、異常ありません!」
「よし」
湊が頷いた、その時だった。
耳元で電子音が鳴る。
『ピコン』
「任務通知……?」
湊は右手でサングラス型のスマート・バイザーに触れる。
透明なホログラム画面が視界に広がった。
【第四ドック所属整備士・湊】
【緊急任務受信】
【送信者:司令官】
画面には司令官の映像が映し出される。
『湊、聞こえるか』
「はい」
『新しい任務だ』
司令官の表情は、いつになく真剣だった。
『最近、エネルギアの出現件数が急激に増加している』
『その影響で、民間貨物船や旅客船への被害も確認された』
『そこで本日のお前たちの任務は、敵の撃破ではない』
湊は静かに聞き続ける。
『貨物船団の護衛任務だ』
『目的地まで無事に送り届けろ』
『敵を倒すことより、守ることを優先しろ』
その言葉を聞いたよなぐにが、小さく拳を握る。
「護衛任務……」
『今回の任務では、海防潜水艦・よなぐにを中心に運用する』
『初任務になるが、お前なら大丈夫だ』
よなぐには少し驚いたように目を見開く。
「私が……中心?」
湊はよなぐにの肩にそっと手を置いた。
「緊張するか?」
「……少しだけ」
「なら、俺たち全員で支える」
みきしおが笑顔で親指を立てる。
「もちろん!」
「みんなで守ろう!」
てんりゅうも頷いた。
「一人で戦う任務じゃないわ」
U-ハイドラは穏やかに微笑む。
「護衛なら~、私も~頑張るよ~」
くろしおは元気よく手を挙げる。
「壊れたら私がすぐ直すです!」
ずいほうも優しく笑った。
「一緒に守るの……」
その言葉を聞き、よなぐにの表情から少しずつ緊張が消えていく。
「……はい!」
「皆さん、よろしくお願いします!」
湊はスマート・バイザーの画面を閉じる。
「第四ドック所属、出撃準備」
「今回の目標は一つ」
六人を見渡しながら、静かに告げる。
「全員で帰ってくるぞ」
「「「「「「はい!!」」」」」」
元気な返事が第四ドックに響き渡り、潜水娘たちは青く広がる海へ向かって駆け出した。
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