22話 過去と未来!なのです!!②
整備士『湊』は、地下の格納庫に資料があると聞き、向かった。そこで、不思議な潜水娘と出会う。
静かな地下格納庫。
長い眠りから目を覚ました少女は、不思議そうに周囲を見渡していた。
「……ここは」
小さく呟いたその声が、静まり返った格納庫に響く。
湊は少し距離を置きながら口を開いた。
「大丈夫か?」
少女はゆっくりと視線を向ける。
その瞳には警戒よりも、戸惑いが浮かんでいた。
「あなたは……整備士、なの?」
「うん、私は湊。ここの第四ドックの整備士だよ」
「整備士……」
少女はその言葉を繰り返すように呟く。
そして、自分の胸へそっと手を当てた。
「私は……ずいほうなの」
その名前を聞き、湊は頷いた。
「資料にはそう書いてあった」
ずいほうは静かに目を閉じる。
「……みんなは?」
「みんな?」
「一緒に戦っていた子たちなの」
湊は言葉に詰まる。
司令官から聞いた資料では、ずいほうは何年も前に機能を停止し、そのまま地下格納庫で保管されていた。
彼女が知る仲間たちは、もうここにはいない。
「……ごめん。俺は知らない」
その一言に、ずいほうは少しだけ俯いた。
「そう……なの」
沈黙が流れる。
しかし、その空気を変えるように湊は笑った。
「でも、今は新しい仲間がいる」
「新しい……仲間?」
「うん。みきしお、てんりゅう、U-ハイドラ、くろしお。みんな良い子たちだ」
ずいほうは小さく首を傾げる。
「……知らない名前なの」
「当然だよ。君が眠っている間に生まれた潜水娘たちだから」
「眠って……いた?」
ずいほうは、自分の手を見つめる。
その指先は少し震えていた。
何年もの時が流れた。
知っていた景色も、知っていた人も、知っていた艦も、もう残っていない。
それでも――。
「……会ってみたいの」
その一言に、湊は優しく笑った。
「ああ。きっとみんなも、君に会いたがるよ」
地下格納庫の静けさは変わらない。
しかし、長い眠りについていた少女の時間だけは、再びゆっくりと動き始めていた。
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