143話 皆で探検!なのです!!③
海上移動基地『アーク・トリニティ』。
潜水娘たちは適当にアーク・トリニティを探検していた。
「こっち行こ~♪」
ヴェイルが楽しそうに前を歩く。
「ホントに、楽しそうね」
てんりゅうがそう言う。
「ですね♪ ヴェイルったら、とても元気で嬉しそう♪」
みんな楽しそうにしている。
そんな姿を見ている影が一つ。
「……あの方たちは、確か、第四ドックの……あ、行っちゃう」
第四ドックの潜水娘たちが移動した。
その影もついていく。
「ここは、なんなのです? でっかいタンクなのです」
その部屋には巨大なタンクがいくつもあった。
「吸水室、って、書いてあるの」
ずいほうが入り口の文字を読む。
「水を~ためてるの~~?」
「そうみたいなの」
「お隣は吸油室だって」
「らしいです……よ」
サクラとローズが隣を見に行ったようだ。
「……色々ある……」
潜龍がそう言う。
「次は何があるのか、気になる、です」
「ですねっ」
「もっと見ましょう♪」
そう言い、ヴェイルが先に行ってしまう。
「あ、待ってください」
みんなもついていく。
「……」
影が覗く。
「楽しそう、混ざってみたい……」
「……っ!?」
「?」
「どうしたのです? ずいほうさん、後ろを見て」
「いや、なんでもないの」
「そうなのです?」
「早く行くの」
「なのです!」
「……はぁ、危なかった」
しばらく歩いていると、
「ここは……?」
みきしおが立ち止まる。
目の前には、少し広い部屋があった。
「大きな機械がいっぱい、です」
くろしおが周囲を見渡す。
「これはなんの機械でしょうか?」
アイオワが近くにある表示を見る。
「わかりませんね♪」
ヴェイルも覗き込む。
「アーク・トリニティには、色々な設備があるんですね」
「本当ですね」
よなぐにも頷く。
「第四ドックだけでも、知らない場所がいっぱいあると思ってたけど……基地全体になると、もっといっぱいあるの」
ずいほうがそう言う。
「……まだまだ、探検するところがありそう……」
潜龍も周囲を見渡す。
「じゃあ、次へ行きましょう♪」
ヴェイルが先へ進もうとする。
「待ってほしいの」
ずいほうが声をかける。
「どうしたの?」
サクラが聞く。
「少しだけ、ここにいたいの」
「ここに?」
「うん」
ずいほうは部屋の隅を見る。
「……なんとなく、気になるの」
「何かあるの?」
ローズが聞く。
「分からないの」
そう言いながら、ずいほうは少し考える。
そして、
「みんなは先に行っていてほしいの」
「え?」
ヴェイルが振り返る。
「どうして?」
「ちょっと、確認したいことがあるの」
「……分かった」
サクラが頷く。
「じゃあ、先に行ってるね」
「私も行く、です」
くろしおたちも続いていく。
「ずいほう~~、待ってるよ~」
U-ハイドラも手を振る。
「ありがとうなの」
そう言い、ずいほうはみんなを見送る。
足音が遠ざかっていく。
「……」
部屋が静かになる。
ずいほうは、ゆっくりと周囲を見る。
「……誰か、いるの?」
その瞬間。
カタンッ。
「……!」
ずいほうの動きが止まる。
「……やっぱり、いるの」
ずいほうは振り返らずに話しかける。
「早く出てこないと……爆撃するの」
「!?」
「……」
ずいほうは艤装を変形させる。
「ッ」
「あわわっ!? 待って! 待って~! 出る! 今出るから~~!」
そう言い、慌てた様子の声の主が現れた。
小柄で淡い黄色のショートカットの髪を持つ少女だった。
「潜水娘、なの」
「はい、私はまつ型 巡視潜水艦、その改良型、やえざくら型・18番艦『あずさ』です」
「……まつ、型? ……懐かしい名前なの」
「え?」
「なんでもないの。どうして後をつけていたの?」
「それは……」
あずさは黙る。
そして、口を開く。
「皆さんが楽しそうで、一緒にいたかったから、です」
あずさはそう言った。
「……わかったの。じゃあ、ついてくるの」
「え? いいの?」
「もちろん、なの。早くしないと見失うの」
「あ、はい!」
そうして、ずいほうはあずさを連れて、皆のもとへ急いだ。
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