140話 ヴェイルの1日!なのです!!②
海上移動基地『アーク・トリニティ』。
ヴェイルはぶらぶらと基地の中を歩き、探検していた。
「あ、あっち行ってみよ♪」
さっそく、そう言い、走り出す。
「ここはあまり人がいませんね」
そう言い、周囲を見渡す。
辺りは配管がむき出しの通路で金属質だ。
そんな空間を進んでいく。
「お~~……おや? 大きな扉……輸送物コンテナヤード? なんだろ♪ 入ろ~っと♪」
そう言い、ヴェイルは扉の向こうに入る。
「外?」
そこには青空が広がっていて、遠くの方にコンテナらしき物が見える。
「ここは、あ、輸送されたものを置いておく場所ですね♪」
そう言い、パチンと手を叩く。
「その通りだぞ」
聞いたことのある声がした。
「あら♪ 速水♪ また会ったね~♪」
「あぁ、それでどうした? こんなところに来て、迷子か?」
「ううん、探検してたの♪」
「そうか……見ていくか?」
「いいの!?」
ヴェイルは驚き、速水はニコッとする。
「あぁ! もちろん、ついてくるんだぞ」
「は~い♪」
そう言い、進む。
「ここは見ての通り、輸送されたものを一時的に置いて、整理し、必要なところに運ぶための準備をするところだ」
速水が説明する。
「やっぱり♪ じゃあ、ここで仕事を?」
「あぁ、そうだぞ。私は戦闘できないからな」
「戦闘はできなくとも、戦闘をする者たちの支えにはなっているじゃない♪」
「そう言ってくれるか。ありがとな」
速水は少し照れたように笑う。
「だって、本当のことだもん♪ みんなが安心して任務に行けるのも、速水みたいな人たちがいるからでしょ?」
「……そうだな。そう言ってもらえると、頑張っている意味があるというものだ」
速水はそう言いながら、コンテナヤードに並んでいる荷物を指差す。
「例えば、あれは第四ドックに送る部品だな。あっちは食料で、その隣は整備用の資材だ」
「へぇ~♪ こんなにたくさんあるんですね」
ヴェイルは周囲を見渡す。
大小様々なコンテナや段ボール箱が並んでいる。
「これだけの物資を運んで、整理して、必要なところへ届ける……大変そうですね」
「まぁな。でも、慣れればどうってことないぞ」
「さすがですね♪」
「お、おう……」
速水は少し恥ずかしそうに顔をそらす。
「……それにしても、ヴェイルは本当に探検が好きなんだな」
「はい♪ 知らない場所を見つけると、行ってみたくなるんですよ」
「なるほどな」
「アーク・トリニティは大きいですから、まだまだ知らない場所がありそうです♪」
「それなら、まだ見ていない場所を教えてやろうか?」
「いいんですか!?」
ヴェイルの目が輝く。
「あぁ。ここから少し行ったところに、基地の整備用通路がある。普段はあまり使わない場所だから、人も少ないぞ」
「行きましょう♪」
「ははっ、元気だなぁ」
二人はコンテナヤードを出て、基地の中を歩いていく。
「ここが整備用通路だ」
「お~~……」
そこには大きな配管や機械が並び、壁には様々な表示がある。
「すごい……まるで迷路ですね♪」
「迷子になるなよ?」
「大丈夫ですよ♪」
「本当か?」
「たぶん♪」
「たぶんって……」
速水は苦笑する。
しばらく歩いていると、遠くから声が聞こえてきた。
「ヴェイル~!」
「ん?」
振り返ると、第四ドックの仲間たちがこちらへ歩いてきていた。
「こんなところにいたのです!」
「探したよ~♪」
「みんな♪」
ヴェイルは嬉しそうに駆け寄る。
「……探検、してたんですか?……」
潜龍が聞く。
「そうなんです♪ 速水と一緒に基地を見て回ってました!」
「速水さんもなの?」
「おう。ちょっと案内していたんだ」
「はじめましてですが、ありがとうございます」
潜龍が頭を下げる。
「いやいや、こっちこそ楽しませてもらったよ」
「じゃあ、そろそろ戻りましょう」
てんりゅうが言う
「そうだぞ。そいつらの言う通りだ。そろそろ戻らねぇと、日が暮れるぞ」
そう言われ、ヴェイルは仲間たちと並んで歩き始める。
「今日は色々なところを見られて楽しかったです♪」
「それなら良かった」
「また探検しに来てもいいですか?」
「あぁ、いつでも来るといいぞ」
「やった~♪」
第四ドックへ戻ると、いつものように賑やかな声が響いていた。
「おかえりですっ」
「どこ行ってたの? です」
「基地を探検してたんです♪」
「へぇ~!」
「今度はみんなで行ってみる?」
「いいですね」
「いきたい!」
「はい...姉様..私もです....」
そんな会話を聞きながら、ヴェイルは笑う。
今日も色々な場所を見た。
新しい場所を見つけ、新しい人と出会い、少しだけアーク・トリニティのことを知ることができた。
「……ここ、本当に楽しいですね♪」
ヴェイルがそう呟く。
「もちろんです!」
「楽しいことは、みんなでやるのです!」
「そうだね♪」
第四ドックに笑い声が響く。
こうして、ヴェイルの一日は過ぎていった。
そして、アーク・トリニティでの新しい日々は、まだまだ続いていくのだった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




