138話 二人の話!なのです!!
海上移動基地『アーク・トリニティ』。
第四ドックの出撃・練習用巨大プールに両足をつけ、話している二人がいた。
「……なれて……きた?……」
「……うん、最初は、緊張、してたかもだけど、今は楽しい……」
ローズと潜龍が話をしている。
「……それなら……良かった……ここは騒がしいくらいだから、もっと楽しくなる……」
「……それは、楽しみ……」
「でしょ……姉さまも、みんなもいる……楽しいことはみんなで、悲しいときは、誰かを頼り、元気をもらう……これ、姉さまと、パラオにいたときの……兵隊さんの……言葉……」
「……いい、言葉です……」
潜龍は少し、ニコッとして、
「……あなたの姉さま、サクラのことを尊敬してるんですね……」
「……うん、姉さまは私が生まれたばかりの頃……支えてくれた……だから、尊敬してる……」
ローズは思い出すように語った。
「……いいですね……」
「潜龍の……過去も、知りたい……」
潜龍は少し黙り、
「……とても良い人間だらけで、少し張り合うとこもありましたが、とっても良いところです……」
「……そうなんだね……行ってみたいかも……」
「……いつでも、歓迎しますよ……」
「ありがと……」
「……少し、泳ぎませんか? 任務がない日でも、たとえ機械の身体でも、鍛えないと衰え、鈍くなってしまいますし……」
潜龍は足を水面でバシャバシャする。
「……じゃあ、勝負する?……」
「……勝負?」
潜龍は驚いた顔をする。
「……うん……反対側まで泳いで、またここに戻るの……海につながる……扉は出撃以外……閉まってるし……いい、壁になる」
ローズは前を指差す。
「……うん、やろ……」
そう言い、二人はドボンッと、プールに入る。
「負けない……」
「……こっちも……」
二人は壁に張り付き、一斉に飛び出し、泳ぐ!
「お? お~~二人が泳いでる~」
「勝負なのでしょうか」
他の潜水娘も気付いて見に来る。
ローズは高速潜水艦、潜龍は吸音通信潜水艦。
圧倒的に見えたが、
「まぁ、潜龍も、負けてないですね」
「確かに♪ 潜龍って、軽い素材だから、速めだけど、高速潜水艦についていってる~♪」
ヴェイルがそう言う。
確かにそう見える。
「……ッ……やっぱり、高速潜水艦にはかなわないかも、頑張って早く動いている、でも、燃料の消費が……」
「……壁、ついた……」
「!? 私も!」
二人は壁に手をつき、急速旋回し、潜った方の壁に向かう。
「ローズ~! 潜龍~! 二人とも頑張れ~~♪」
「片方、妹なのに、両方応援するんだ」
てんりゅうがそう言う。
「だって、両方大事だもん♪ そっちだって二人を応援してるくせに♪」
「う、うるさいわね」
「まぁまぁ」
「でも、二人とも頑張っているの」
「ですねっ」
「頑張ってくださ~い! です」
水中にて。
「……もう少し、負けられない……」
「……行ける……」
壁に近づいたところで、二人が手を伸ばす。
「「もう少し」」
壁につくと、ざぶーん!! と、泳いでいた勢いが波となって襲う。
「わっ!?」
「少ししょっぱい~~」
「まぁ、海水が混じってますので」
「あ! 上がってきた」
ブクブクブク……
「「っ!」」
「……どっちが先か……わかりませんね……」
ローズは珍しく微笑む。
「……私の負けで良い……」
潜龍がそう言う。
「……え……」
「……燃料、使いすぎた、ローズはすごいね、こんなに消費がすごいのに……」
「……私は……そういう風に……作られてるだけ……」
「じゃあ、引き分けはどうだ」
誰かがプールの二人にエンジンドリンクを差し出す。
「「整備士さん!」」
「やぁ、二人とも、良い勝負だったぞ」
「……ありがとうございます……」
「……ありがと……」
そう言い、二人はエンジンドリンクを受け取り、飲む。
「高速になる分、消費が激しいが、高速潜水艦は、それを克服するようにできている。それと互角に泳げた、誇って良い」
そう言い、潜龍の頭を撫でる。
「……うん……」
「……整備士さんも……泳ぐ?……」
ローズがそう提案する。
「いや、やめとくよ」
「整備士さんも泳ぐのです~!」
「いやいや」
「……フフフ、本当に、賑やかで楽しいとこ……」
その後、整備士湊は潜水娘たちと、泳ぐことになり、服が乾くまで任務ができなくなったとさ。
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