132話 ボードゲーム!なのです!!②
第四ドック、休憩スペースにて。
海底探査ゲームは、順番に進んでいた。
「次は私の番ね!」
サクラがサイコロを手に取る。
「それ!」
ころころとサイコロが転がる。
「三!」
「三マスだ~♪」
サクラがコマを三マス進める。
「ここは……『海底から珍しい鉱石を発見! 二マス進む』だって!」
「また進めるのです!」
「サクラさん、運がいいのです~」
「ふふっ♪ このまま一気にゴールしちゃおうかな?」
「そう簡単にはいかないと思うの」
ずいほうがボードを見ながら言う。
「どうして?」
「こういうゲームは、後半になるほど何が起きるか分からないの」
「なるほど……」
サクラがボードをじっと見る。
「じゃあ、油断は禁物ってことね!」
「そうなの」
「それじゃあ、二マス進めて……」
サクラがコマを動かす。
「次は、ずいほう、出陣なの」
「出陣って……」
てんりゅうがツッコミかけるが、ずいほうはサイコロを振る。
「……四、なの」
コロコロと転がったサイコロは、四の目を出した。
「四マス進んで……ここなの」
そこには、『海底の流れが強くなった! 一マス戻る』と書かれていた。
「一マス戻る、なの」
「せっかく進んだのに~」
U-ハイドラが残念そうに言う。
「まぁ、こういうこともあるさ」
湊が笑う。
「では、一マス戻るの」
ずいほうがコマを戻す。
「……戻った先に何か書いてあるの」
「何?」
みきしおが覗き込む。
「『海底洞窟を発見! 三マス進む』なの」
「「えぇ!?」」
みんなが一斉に声を上げる。
「結果的に二マス進んだのです!」
「こんなことも……あるんだ……」
ローズが驚く。
「ゲームって面白いね♪」
「……運が悪かったと思ったら、逆に良くなる……」
潜龍もボードを見ながら小さく笑う。
「そうそう! 最後まで何が起きるか分からないのよ♪」
ヴェイルが楽しそうに言う。
「次は私の番ね」
ヴェイルがサイコロを手に取る。
「それっ♪」
「五、です」
よなぐにが出目を確認する。
「五マス進んで……」
ヴェイルがコマを動かす。
「『海底に沈んだ研究施設を発見! 調査するため二回休み』……」
「二回休み!?」
「えぇ……」
ヴェイルが固まる。
「さっきまで運が良かったのに~」
「これは厳しいね」
湊が苦笑する。
「でも、研究施設を発見したんだから、探査ゲームとしては大成功なのでは?」
アイオワが言う。
「確かにそうですね」
ヴェイルは少し考え、
「それなら、二回休みでも我慢します♪」
と笑った。
「次は私だな」
湊がサイコロを取る。
「いくぞ」
「頑張るのです!」
「……」
サイコロが転がる。
「二……」
湊がコマを二マス進める。
すると、そこには――。
『海底で巨大な生物を発見! 驚いて一マス後退』
「……巨大な生物……?」
潜龍が目を丸くする。
「ゲームの中でも海の生物が出てくるんですね」
「一マス戻るのです」
「あぁ」
湊がコマを一マス戻す。
すると、今度は別のマスに止まった。
『海底に宝箱を発見! もう一度サイコロを振る』
「……お」
「もう一回振れるのです!」
「すごい! です」
くろしおが身を乗り出す。
湊は少し嬉しそうにサイコロを握る。
「……では、もう一度」
ころころと転がるサイコロ。
「……六」
「六!?」
「一気に進めるね~!」
みんながボードを覗き込む。
まだゲームは始まったばかり。
けれど、少しずつ全員がゲームに夢中になり始めていた。
「次は誰ですか?」
「一番に戻るのでアイオワ、私ですね♪」
「じゃあ、続けよう!」
第四ドックの海底探査ゲームは、まだまだ続いていく。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




