125話 艦隊編成と二人の初任務!なのです!!③
「……来ます……」
潜龍が小さく呟く。
4人は音のする方向を見つめる。
すると、幾星霜もの闇に朽ち果てた配線のように見えたものが、少しずつ動き始めた。
それは、こびりついた赤錆のような、ひび割れた煉瓦色をしていた。
そして、その正体が姿を現す。
触手を持つ軟体生物。
「……この感じ、ミズダコ……」
そう潜龍が言うと、少しずつその姿が見えてきた。
たしかに、それはタコだった。
「なんだ~、タコか~♪」
「かわいい、です」
「はいっ」
4人は、こちらへゆっくりと近づいてくるタコを見つめる。
タコは長い間、この海底施設の中で暮らしていたのだろうか。
赤錆のような色をした体をゆっくりと動かしながら、4人の前を通り過ぎていく。
「……驚かせないでください……」
潜龍が小さく息を吐く。
「びっくりしましたね♪」
ヴェイルも少し安心したように笑う。
「でも、ここにタコがいるってことは、施設のどこかに穴があるってこと、です?」
くろしおが周囲を見る。
「……そうですね」
よなぐにも壁や床を確認する。
「……この施設、完全に密閉されているわけではないみたいです……」
潜龍が周囲を見ながら言う。
「なるほど~♪」
ヴェイルが頷く。
「ということは、他にも海の生き物がいるかもしれませんね♪」
「お魚とか、です?」
「そうかもしれませんね♪」
「……なんだか、探検みたいですね……」
潜龍が少し嬉しそうに言う。
(まあ、調査任務だからな。だが、油断はするなよ)
湊の声がバイザーから聞こえる。
「「「「はい」」」」
4人が返事をする。
「……それにしても、この施設は本当に古いですね……」
潜龍が壁を見る。
壁には、ところどころ大きなひびが入っている。
床にも錆びた金属片や、古い機械の部品が落ちていた。
「何か、昔の工場だったんでしょうか?」
よなぐにが言う。
「たぶん、です」
くろしおが近くの機械を調べる。
「でも、普通の工場にしては設備が大きすぎる、です」
「確かに……」
ヴェイルも機械を見る。
「何を作っていた場所なんでしょう?」
(分からないな。記録が残っているかもしれない。もう少し奥まで調べてみよう)
「了解です♪」
「わかりました、です」
「……はい……」
「はいっ」
4人はさらに奥へ進んでいく。
すると――。
「……あれ?」
よなぐにが足を止めた。
「どうしました?」
ヴェイルが聞く。
「……あそこに、何かあります」
よなぐにが指を向ける。
そこには、壁に埋め込まれた大きな金属製の扉があった。
「……扉、ですか?」
潜龍が近づく。
「さっきの入り口とは違う、です」
くろしおも扉を確認する。
「……これ、かなり頑丈に作られているみたいです」
(くろしお、開けられそうか?)
「調べてみる、です」
くろしおが扉の横にある装置へ近づく。
「……う~ん……」
しばらく装置を調べる。
「……どうですか?」
潜龍が聞く。
「ちょっと待ってください、です」
くろしおは真剣な表情で配線を確認する。
「……これは、さっきの扉より複雑です」
「開けられそう?」
ヴェイルが聞く。
「……たぶん、です」
「また、たぶん?」
「たぶん、です♪」
くろしおが笑う。
「大丈夫かな……?」
ヴェイルが苦笑する。
(無理はするな。危険そうなら、そのままでいい)
「分かりました、です」
くろしおが装置から少し離れる。
「みてみて! ナマコみつけた!」
「……すこしは、緊張感持って……」
潜龍が忠告する。
「ははは……」
よなぐには苦笑いした。
その時。
ガチャンッ!!
と大きな音が鳴った。
「開きました、です」
(よし、慎重に進め)
そう言われ、4人は慎重に進む。
「ねぇ、資源が見つかったらどうなるの?」
(多ければ、上が専用の潜水娘を派遣して、危険がないか確認し、運び込む海路を作り、輸送部隊が輸送する。少ないなら調査部隊、この場合は君たちが運び出す)
「そうなんだ~♪」
「……行きますよ……」
「は~い♪」
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




