119話 任務完了の翌日!なのです!!③
海上移動基地『アーク・トリニティ』。
第四ドックにて。
「それにしても、整備士さん遅いわね」
てんりゅうがそんな言葉をこぼす。
「ですね。何か大事な会議でもしているのでしょうか」
「でも、待つしかないのです」
「そ~だね~~」
「ねぇねぇ! トランプがあったよ!!」
サクラが少し興奮しながら来た。
「……姉さま……落ち着いて……」
「トランプ……久しぶり、なの」
ずいほうがそう言う。
「トランプですか。私は初めてです」
よなぐにも見に来る。
「皆でやると、楽しそう、です!」
くろしおがそう言う。
「では、整備士さんが戻ってくるまで、トランプで遊びましょうか」
アイオワがそう言う。
「「「「「「「「さんせ~い!」」」」」」」」
そう言い、トランプが始まった。
「じゃあ、最初は簡単なゲームにしましょう!」
サクラがカードを並べる。
「何をするの?」
てんりゅうが聞く。
「ババ抜き!」
「定番ですね」
アイオワが頷く。
「私、やったことないの!」
ずいほうが少し楽しそうにカードを見る。
「私もです……」
よなぐにもカードを受け取る。
「それじゃあ、配るね!」
サクラがみんなにカードを配っていく。
「……これでいいの?」
ローズが自分のカードを確認する。
「はい。まずは同じ数字のカードを捨てていきます」
アイオワが説明する。
「なるほど……」
ローズは手札を確認する。
「……同じ数字、ありました」
「じゃあ、それを出して」
「……はい」
ローズがカードを出す。
「これでいいんですね」
「そうです♪」
「私も見つけたの!」
ずいほうもカードを出す。
「どんどん減っていくのです!」
みきしおが嬉しそうに言う。
「じゃあ、次は私の番ね」
てんりゅうがカードを引く。
「……こっち」
「おお~~!」
U-ハイドラが隣から覗き込む。
「ちょっと! 見ちゃダメでしょう!」
「え~~? 見てないよ~~」
「絶対見たでしょう!」
第四ドックに笑い声が響く。
「じゃあ、私の番!」
サクラがカードを引く。
「……あっ!」
「どうしたの?」
くろしおが聞く。
「同じカードだった!」
「よかったですね」
「うん♪」
サクラが嬉しそうにカードを捨てる。
その後も、みんなで順番にカードを引いていく。
「……あ」
「どうしたの、ローズ?」
「……これ……ジョーカー……」
ローズの手には、一枚のジョーカーがあった。
「それがババなのです!」
みきしおが教える。
「……なるほど」
ローズはジョーカーをじっと見つめる。
「でも、誰かに引いてもらえばいいんですよ」
「……はい」
ローズは少し考える。
そして、隣にいるサクラへカードを差し出した。
「姉さま……どれか一枚、引いてください」
「うん!」
サクラがカードを一枚引く。
「……あっ!」
サクラの表情が固まる。
「どうしたの?」
てんりゅうが聞く。
「……ジョーカー……」
「「「あははははっ!」」」
みんなが一斉に笑う。
「姉さま……ごめんなさい……」
「いいよ! 楽しいから♪」
サクラも笑う。
「じゃあ、次は私の番なの!」
ずいほうがカードを持つ。
「こういう遊びも、いいものなの……」
「そうですね」
アイオワが微笑む。
任務のときとは違う、穏やかな時間。
みんなでカードを囲みながら、第四ドックには楽しそうな声が響いていた。
そのとき――。
「ただいま」
ドックの入り口から声が聞こえた。
「!」
みんなが一斉に振り向く。
「整備士さん!」
みきしおが立ち上がる。
「遅かったわね」
てんりゅうも声をかける。
「悪い。司令官と少し話してた」
湊はそう言いながら、第四ドックへ入ってくる。
「何の話だったの?」
「それは――」
湊が口を開く。
「……って、なんでみんなトランプやってるんだ?」
「楽しいからなのです!」
みきしおが胸を張る。
「そっか」
湊は少し笑った。
「じゃあ、俺も混ぜてもらおうかな」
「もちろんです!」
くろしおが嬉しそうに答える。
「それじゃあ、もう一回やるの!」
サクラがカードを集める。
「今度は整備士さんも一緒ですね」
アイオワが微笑む。
「よ~し、負けないのです!」
「私も負けないよ~~」
「あなたはまずルールを覚えなさい」
てんりゅうが呆れながら言う。
第四ドックに、再び笑い声が響いた。
任務のない日。
こうしてみんなで遊ぶ時間も、潜水娘たちにとって大切な日常だった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




