116話 日本海へ!なのです!!⑥
日本海。
遭遇したエネルギアを倒し、ハイドロ・コアを回収したが、行方不明になった潜水娘二名はまだ見つからない。
そんなとき。
「これは、なんでしょう?」
アイオワが何かを見つけたようだ。
(どうした?)
「これ、なんだか、矢印のような……」
「たしかに、ここだけ妙に掘られているわね」
「よく、海流で流されなかったね」
サクラがそう言う。
「たしかに……そうですね……あちらに……いるのでしょうか……」
(よし、行ってみよう)
「はいっ」
よなぐにが元気よく返事する。
「先に水中ドローンを飛ばしながら進むの」
(あぁ、頼む、ずいほう)
「はやく~届けないとね~~」
「あぁ、そうだな、U-ハイドラ」
「行こーです!」
「はい、なのです!」
くろしおとみきしおも元気いっぱいだ。
「みんな、周囲には十分注意してよね」
(あぁ。特に海流には気をつけよう。もし流されたら、今度は捜索する側が迷うことになる)
「了解なのです!」
「わかりました」
「……はい……」
全員が警戒しながら、矢印のような痕跡に沿って進んでいく。
ずいほうの水中ドローンも、先行して海底を進んでいた。
「……何か見える?」
サクラが尋ねる。
「まだなの……」
ずいほうは、ドローンから送られてくる映像を確認する。
しばらく進むと――。
「ん?」
ずいほうが止まった。
(どうした?)
「ノイズ?……いや、これは通信なの」
(通信?)
「しかも、普通のバイザーによる通信より、とても良質なの」
(……聞き取れるか?)
「やってみるの……」
そう言い、ずいほうは音声に集中した。
しばらく沈黙が続き……。
「これは、座標……なの?」
「座標?」
みきしおが聞き返す。
「そうなの。数字で、座標っぽいの」
(送ってみてくれるか?)
「なの」
そう言い、ずいほうはそのデータを送信した。
(……座標だな。危険かもしれないが、そこに向かおう)
「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
(みんな、海流に注意してくれ)
「了解なのです!」
「はい」
「……わかりました……」
ずいほうが、水中ドローンから送られてくる映像を確認する。
「何か、見つかった?」
サクラが尋ねる。
「まだなの……」
「そっか~」
U-ハイドラが残念そうに言う。
「でも、通信があったなら、近くにいる可能性は高いはずです」
アイオワが周囲を見渡す。
「そうですね」
くろしおも頷く。
(座標は間違いない。もう少し進んでみよう)
「はい! なのです!」
みきしおが元気よく返事をする。
全員が慎重に進んでいく。
しばらくすると――。
(ずいほう、ドローンを前へ)
「了解なの」
水中ドローンが先へ進んでいく。
「……あ」
ずいほうが小さく声を漏らす。
(どうした?)
「座標に近づいているの……」
ずいほうから送られてきた情報を、湊も確認する。
(あと少しだな)
「……はい……」
ローズが静かに答える。
しばらくして――。
「……前方の水中ドローンから映像が、届いたの」
(何か映っているか?)
ずいほうは、送られてきた映像を確認する。
「……これは……」
その声を聞き、みんなが緊張する。
「何かあったの?」
「……いるの」
「いる?」
みきしおが聞き返す。
「座標の場所に……何かがいるの」
湊も映像を確認する。
画面には、海底の一部が映っている。
その奥には――。
二つの反応が表示されていた。
(……間違いない)
湊が静かに呟く。
(二人とも、そこにいる)
「本当ですか!?」
くろしおが声を上げる。
「見つけたのです!」
みきしおも喜ぶ。
「よかった~~」
U-ハイドラも嬉しそうにする。
「……よかった……です……」
ローズも小さく呟く。
「それじゃあ、すぐに向かおう!」
サクラが前へ進もうとする。
(待ってくれ)
「え?」
(まだ姿は確認できていない。周囲に危険がないか確認してから近づく)
「……そうですね」
アイオワが頷く。
「みんな、慎重に行きましょう」
「はい!」
全員がゆっくりと前へ進む。
海底に残された痕跡。
そして、座標が示した場所。
そこには確かに、行方不明になった二人の潜水娘がいた。
「寝てるのです?」
みきしおが顔を近づける。
(省エネモードか? それと、座標を示す通信を少ないエネルギーで行っているようだ)
「なるほどなのです」
(U-ハイドラ、二人にエンジンドリンクを緊急補給口から入れてくれ。腰の辺りだ)
「は~~い…………あったよ~。入れるよ~~」
そう言い、注入を始めた。
(注入が終わりしだい、帰還する)
「帰還するですか?」
(あぁ、目覚めるのを待つより、安全だ)
そう言い、しばらくして――。
海上移動基地『アーク・トリニティ』。
第四ドックにて。
「……ッ……あれ?」
「あ、起きました」
アイオワが言う。
「あなた方は……もしや、救助、されたので?」
気品あふれる少女がそう言う。
「あぁ、そうだ。私はこの第四ドックの整備士『湊』だ」
「……整備士さん」
小柄な少女が繰り返す。
「あぁ」
「救助してくれてありがとうございます。あ、申し遅れました。私はヴァンガード級 ステルス潜水艦・5番艦『HMS ヴェイル』です」
「……潜龍級 吸音通信潜水艦・1番艦『潜龍』です……」
こうして、行方不明者捜索任務が終わった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




